平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-18 を解説、摩擦損失は管径に反比例
平成28年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-18は、円形断面の管路流れの損失水頭に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、ダルシー・ワイスバッハの式の形を覚えているかを問うものです。引っかけの核心は管径が分母にあるか分子にあるかで、比例と書いてあります。
同じ式のなかで長さは比例、管径は反比例です。2つを対で押さえます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理で管の途中の圧力を出す|答えは負圧になる
各選択肢の正誤
5つのうち4つは管路の損失の基本です。誤りは比例の向きにあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 摩擦による損失水頭は管路の長さに比例して大きくなる | ○(正しい) | 長さLは分子にある |
| 2 管内の損失水頭には摩擦による損失と局所的な渦や乱れによる損失がある | ○(正しい) | 摩擦損失と局所損失の2種類 |
| 3 摩擦による損失水頭は管径に比例して大きくなる | ×(誤り) | 反比例。管が太いほど損失は小さい |
| 4 曲がりや弁による損失水頭は断面平均流速の2乗に比例して大きくなる | ○(正しい) | 局所損失は流速の2乗 |
| 5 拡大や縮小による損失水頭は断面積が小さい方の管の断面平均流速を用いる | ○(正しい) | 速いほうの流速で評価する |
選択肢1と3は同じ式の分子と分母を指しています。並べて読むと片方が逆だと分かります。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
ダルシー・ワイスバッハの式は hf=f×(L÷D)×v²÷(2g) です。長さLは分子、管径Dは分母にあります。
太い管ほど壁に接する割合が減るので、同じ流量を送っても摩擦の影響が小さくなります。管径を上げるのが損失を減らす基本の手です。
局所損失は流速の2乗に比例します。令和元年度(再試験)Ⅲ-18と令和4年度Ⅲ-18はこの向きを反比例と書いて誤り肢にしており、平成28年度は④に正しい形で置いてあります。
覚え方
- hf=f×(L÷D)×v²÷(2g)
- 長さは比例、管径は反比例
- 局所損失は流速の2乗に比例
理解度チェック
摩擦による損失水頭は管径とどう関係するか。
反比例します。管が太いほど損失は小さくなります。
局所損失は流速とどう関係するか。
流速の2乗に比例します。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」10ページ Ⅲ-18
- 公益社団法人 日本技術士会「平成28年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成28年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅲ-2 最大間隙比は最も緩い状態
- Ⅲ-3 正のダイレイタンシーは膨張
- Ⅲ-4 支持力係数はせん断抵抗角で決まる
- Ⅲ-5 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅲ-6 トラスにも圧縮材がある
- Ⅲ-7 片持ち柱の有効座屈長は2倍
- Ⅲ-8 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅲ-9 BMSはコストの名前ではない
- Ⅲ-10 水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅲ-11 かぶりは大きくする
- Ⅲ-12 プレとポストの説明が入れ替えてある
- Ⅲ-17 水面と小穴の高さの差だけが効く
- Ⅲ-18|摩擦損失は管径に反比例
- Ⅲ-19 平均流速は粗度係数に反比例
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