平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-9 を解説、L荷重とT荷重の6年度目
平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-9は、道路橋の床版に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、床版に載せる活荷重の名前を正しく覚えているかを問うものです。引っかけの核心は説明が正しいまま名前だけ入れ替えてある点で、集中荷重という中身のほうは合っています。
この誤り肢は6つの年度に出ています。建設部門で最も繰り返されている記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:道路橋の床版|L荷重とT荷重の取り違えで落とす
各選択肢の正誤
5つのうち4つは床版の構造や耐久性の話です。誤りは荷重の名前だけにあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 鋼コンクリート合成床版は鋼部材とコンクリートが一体で荷重に抵抗する合成構造 | ○(正しい) | 合成構造として設計する |
| 2 床版の耐久性は輪荷重の大きさと頻度、大型車の走行台数の影響を大きく受ける | ○(正しい) | 疲労は繰返し回数で効く |
| 3 鋼床版は縦リブ、横リブでデッキプレートを補剛したもの | ○(正しい) | 床組構造または主げたで支持される |
| 4 合成げたの床版のコンクリートは主げた作用と床版作用の応力を同時に受ける | ○(正しい) | 2方向の応力が重なる |
| 5 床版の設計にはL荷重を用いる | ×(誤り) | 使うのはT荷重。隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたもの |
選択肢5の後半にある「隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたもの」はT荷重の説明そのものです。名前だけを見ないと切れません。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
活荷重は2種類あり、床版と床組にはT荷重、主げたにはL荷重を使います。T荷重は車輪を模した集中荷重、L荷重は等分布荷重と線荷重の組合せです。
この設問は平成26年度Ⅲ-10・平成29年度Ⅲ-9と5つの記述が同じで、正答も⑤のままです。平成23年度は主げた・縦げたが旧表記になっています。
この誤り肢は平成23・26・29・30・令和4・令和6の6つの年度に出ています。公開されている16年度のうち6年度で、最も繰り返される記述です。
覚え方
- 床版はT荷重、主げたはL荷重
- T荷重は集中荷重、L荷重は等分布と線荷重
- 6つの年度に出ている誤り肢
理解度チェック
床版の設計に使う活荷重は何か。
T荷重です。隣り合う車軸を1組の集中荷重に置き換えたものになります。
この誤り肢はいくつの年度に出ているか。
6つです。平成23・26・29・30・令和4・令和6の各年度に出ています。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅳ-9
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成23年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 限界動水勾配は上向きの浸透力
- Ⅳ-2 過圧密が弾性、正規圧密が塑性
- Ⅳ-3 盛土は非排水、切取りは排水
- Ⅳ-4 湿潤から乾燥へ直してから1を引く
- Ⅳ-5 水圧に静止土圧係数は掛けない
- Ⅳ-6 単純ばり中央のたわみは分母48
- Ⅳ-7 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅳ-8 亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
- Ⅳ-9|L荷重とT荷重の6年度目
- Ⅳ-10 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅳ-11 急縮部でも損失は生じる
- Ⅳ-12 フィルダムは基礎の制約が少ない
- Ⅳ-17 捨石が高いほど傾斜堤に近い
- Ⅳ-18 180度転回のための拡幅は転回区域
- Ⅳ-19 屈曲部は支台でなく固定台
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