平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-5 を解説、水圧に静止土圧係数は掛けない
平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-5は、深さ6.0mの地点の水平土圧を求める問題です。地下水位は地表面から2.0mで、静止土圧係数は0.50です。
この問題のポイント
この問題は、土圧係数を掛ける相手が分かっているかを問うものです。引っかけの核心は水圧にも係数を掛けてしまう点で、その値が選択肢2に置いてあります。
水はどの方向にも同じ圧力がかかります。だから係数は掛けません。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土圧|主働・受働とランキン・クーロン
各選択肢の正誤
有効応力に係数を掛け、そこへ水圧を足します。3段階で計算します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 47 kN/m² | ×(誤り) | 水圧を足し忘れた形に近い |
| 2 57 kN/m² | ×(誤り) | 水圧にも0.50を掛けてしまった形 |
| 3 67 kN/m² | ×(誤り) | 有効応力の計算が合っていない |
| 4 77 kN/m² | ○(正しい) | 0.50×(17×2.0+10×4.0)+10×4.0=37+40=77 |
| 5 87 kN/m² | ×(誤り) | 係数を掛けずに全応力を出した形に近い |
選択肢2は水圧にも係数を掛けたときにちょうど出る値です。手順としては最後まで進むので気づきにくい形です。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
鉛直有効応力は 17×2.0+10×4.0=74kN/m² です。水面より下は水中単位体積重量10kN/m³を使います。
水平有効応力はそこへ静止土圧係数を掛けて 0.50×74=37kN/m² です。土は方向によって伝わり方が違うので係数が要ります。
間隙水圧は 10×4.0=40kN/m² で、水はどの方向にも同じ圧力なので係数を掛けずにそのまま足します。37と40を足して合計77kN/m²です。
覚え方
- 係数を掛けるのは有効応力にだけ
- 水圧はそのまま足す
- 水面より下は水中単位体積重量
理解度チェック
静止土圧係数はどの応力に掛けるか。
鉛直有効応力にだけ掛けます。水圧には掛けません。
水圧に係数を掛けないのはなぜか。
水はどの方向にも同じ圧力がかかるためです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅳ-5
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成23年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 限界動水勾配は上向きの浸透力
- Ⅳ-2 過圧密が弾性、正規圧密が塑性
- Ⅳ-3 盛土は非排水、切取りは排水
- Ⅳ-4 湿潤から乾燥へ直してから1を引く
- Ⅳ-5|水圧に静止土圧係数は掛けない
- Ⅳ-6 単純ばり中央のたわみは分母48
- Ⅳ-7 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅳ-8 亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
- Ⅳ-9 L荷重とT荷重の6年度目
- Ⅳ-10 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅳ-11 急縮部でも損失は生じる
- Ⅳ-12 フィルダムは基礎の制約が少ない
- Ⅳ-17 捨石が高いほど傾斜堤に近い
- Ⅳ-18 180度転回のための拡幅は転回区域
- Ⅳ-19 屈曲部は支台でなく固定台
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