平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-2 を解説、過圧密が弾性、正規圧密が塑性
平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-2は、飽和粘土の圧密に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、圧密降伏応力の前後でどんな挙動になるかを問うものです。引っかけの核心は弾性的と塑性的が入れ替えてある点で、過圧密の側が弾性的です。
残る4つは圧密の定義、正規圧密、過圧密比、バーチカルドレーン工法です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:有効応力|全応力から間隙水圧を引いた値
各選択肢の正誤
5つのうち4つは圧密の基本用語です。誤りは1つで、2つの言葉が入れ替えてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 圧密とは土が内部間隙水の排出を伴いながら徐々に圧縮していく現象 | ○(正しい) | 時間をかけて進む |
| 2 正規圧密とは有効土被り圧の大きさがこれまでの最大となったままでいる状態 | ○(正しい) | 先行圧密圧力と等しい |
| 3 圧密降伏応力は塑性的な過圧密の範囲から弾性的な正規圧密の範囲に移行する境界の応力 | ×(誤り) | 過圧密が弾性的、正規圧密が塑性的。2つが逆 |
| 4 過圧密比は有効土被り圧に対する圧密降伏応力の比で、過圧密の度合いを表す指標 | ○(正しい) | 1を超えれば過圧密 |
| 5 バーチカルドレーン工法は排水距離を水平方向に短縮して圧密を促進する工法 | ○(正しい) | 軟弱地盤に人工のドレーンを入れる |
選択肢3は文の形が定義らしく整っています。2つの言葉の組合せだけを見る必要があります。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
過圧密の範囲は一度その荷重で締まっているので、戻る余地がある弾性的な挙動です。圧密降伏応力を超えると新しい圧縮が始まり、戻らない塑性的な挙動になります。
だから過圧密の地盤は沈下しにくく、圧密降伏応力を超えた途端に沈下が大きくなります。設計ではこの境目を押さえます。
平成24年度Ⅳ-6・平成25年度Ⅲ-4・平成26年度Ⅲ-4には同じ内容が正しい形で置いてあります。4つの年度に出て、崩したのはこの年度だけです。
言い回しは年度で少しずつ違い、平成25年度は「過圧密」「正規圧密」の語を使わず範囲とだけ書いています。
覚え方
- 過圧密が弾性的、正規圧密が塑性的
- 圧密降伏応力がその境目
- 過圧密比が1を超えれば過圧密
理解度チェック
圧密降伏応力の前後で挙動はどう変わるか。
手前の過圧密の範囲が弾性的で、超えた正規圧密の範囲が塑性的です。
バーチカルドレーン工法は何を短縮するか。
排水距離です。水平方向に短くして圧密を促進します。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅳ-2
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成23年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 限界動水勾配は上向きの浸透力
- Ⅳ-2|過圧密が弾性、正規圧密が塑性
- Ⅳ-3 盛土は非排水、切取りは排水
- Ⅳ-4 湿潤から乾燥へ直してから1を引く
- Ⅳ-5 水圧に静止土圧係数は掛けない
- Ⅳ-6 単純ばり中央のたわみは分母48
- Ⅳ-7 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅳ-8 亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
- Ⅳ-9 L荷重とT荷重の6年度目
- Ⅳ-10 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅳ-11 急縮部でも損失は生じる
- Ⅳ-12 フィルダムは基礎の制約が少ない
- Ⅳ-17 捨石が高いほど傾斜堤に近い
- Ⅳ-18 180度転回のための拡幅は転回区域
- Ⅳ-19 屈曲部は支台でなく固定台
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