平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-17 を解説、捨石が高いほど傾斜堤に近い
平成23年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-17は、防波堤に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち誤っているものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、混成堤がどちらの性格に近づくかを問うものです。引っかけの核心は浅いと深いの対応が入れ替えてある点で、捨石部が高いほど傾斜堤に近づきます。
この年度は分野の並びが例年と違い、Ⅳ-17に防波堤が置いてあります。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:静水圧|全水圧と圧力の中心
各選択肢の正誤
5つのうち4つは防波堤の基本です。誤りは1つで、対応が入れ替えてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 直立堤は前面が鉛直である壁体を海底に据えた構造で、主として波のエネルギーを反射させる | ○(正しい) | 反射で防ぐ形式 |
| 2 混成堤は捨石天端水深が浅いときは直立堤に近く、深いときは傾斜堤に近くなる | ×(誤り) | 浅いほど捨石部が高く傾斜堤に近い。逆 |
| 3 消波ブロック被覆堤は、消波ブロックで波のエネルギーを散逸させ直立部で波の透過を抑える | ○(正しい) | 2つを組み合わせた形式 |
| 4 傾斜構造物の表のり面を被覆する捨石やブロックの所要質量の算定にはハドソン式を用いる | ○(正しい) | 安定数を使う式 |
| 5 混成堤直立部などの直立壁に作用する最大波力及び揚圧力は一般的に合田式で算定する | ○(正しい) | 設計波力の代表式 |
選択肢2は前半の混成堤の定義が正しいので、後半の対応だけを見る必要があります。捨石部の高さを思い浮かべると決まります。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
混成堤は捨石部の上に直立壁を載せた形式で、2つの比率で性格が変わります。捨石天端水深が浅いということは捨石部が高いということです。
捨石部が高ければ傾斜堤に近づき、低ければ直立壁の割合が増えて直立堤に近づきます。設問はこの対応を入れ替えてあります。
選択肢4のハドソン式は被覆材の所要質量を求める式、選択肢5の合田式は直立壁に作用する波力を求める式です。名前と用途を組で覚えます。
覚え方
- 捨石天端水深が浅い=捨石部が高い=傾斜堤に近い
- 被覆材の質量はハドソン式
- 直立壁の波力は合田式
理解度チェック
混成堤で捨石天端水深が浅いとどちらの性状に近づくか。
傾斜堤です。捨石部が高いためです。
直立壁に作用する最大波力はどの式で算定するか。
合田式です。被覆材の質量はハドソン式になります。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」8ページ Ⅳ-17
- 公益社団法人 日本技術士会「平成23年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成23年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 限界動水勾配は上向きの浸透力
- Ⅳ-2 過圧密が弾性、正規圧密が塑性
- Ⅳ-3 盛土は非排水、切取りは排水
- Ⅳ-4 湿潤から乾燥へ直してから1を引く
- Ⅳ-5 水圧に静止土圧係数は掛けない
- Ⅳ-6 単純ばり中央のたわみは分母48
- Ⅳ-7 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅳ-8 亜鉛の被膜は溶融亜鉛めっき
- Ⅳ-9 L荷重とT荷重の6年度目
- Ⅳ-10 高炉セメントは初期強度が低い
- Ⅳ-11 急縮部でも損失は生じる
- Ⅳ-12 フィルダムは基礎の制約が少ない
- Ⅳ-17|捨石が高いほど傾斜堤に近い
- Ⅳ-18 180度転回のための拡幅は転回区域
- Ⅳ-19 屈曲部は支台でなく固定台
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