平成24年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-17 を解説、損失も足せば全体は一定
平成24年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-17は、貯水位の異なる2つの貯水池を結ぶ管水路について、損失を考慮したベルヌーイの式を問う問題です。5つの記述のうち最も適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、4つの水頭の定義と組合せを覚えているかを問うものです。引っかけの核心はピエゾ水頭と動水勾配線から位置水頭を落としてある点で、どちらも位置水頭を含みます。
残る2つは分母の取り違えです。圧力水頭はρgで、速度水頭は2gで割ります。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:ベルヌーイの定理で管の途中の圧力を出す|答えは負圧になる
各選択肢の正誤
5つのうち4つが誤りなので、正しい1つを残します。定義を1つずつ突き合わせます。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 位置水頭と速度水頭を足したものを連ねた線を動水勾配線という | ×(誤り) | 位置水頭と圧力水頭。速度水頭は入らない |
| 2 位置水頭、圧力水頭、速度水頭、損失水頭を足すと常に一定値になる | ○(正しい) | 失われた分も足し戻せば全体は一定 |
| 3 p÷(2z)を圧力水頭という | ×(誤り) | p÷(ρg)。分母が違う |
| 4 v²÷(ρg)を速度水頭という | ×(誤り) | v²÷(2g)。分母が違う |
| 5 圧力水頭と速度水頭を足したものをピエゾ水頭という | ×(誤り) | 位置水頭と圧力水頭の和がピエゾ水頭 |
選択肢1と5はどちらも位置水頭を落としています。2つ並べて読むと同じ抜け方だと分かります。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
損失がなければ位置水頭・圧力水頭・速度水頭の3つを足した値が一定です。損失がある場合は、失われた分を損失水頭として足し戻せば全体が一定です。
ピエゾ水頭は位置水頭と圧力水頭の和で、それを流下方向に連ねた線が動水勾配線と呼ばれます。速度水頭まで足した線はエネルギー線です。
分母は圧力水頭がρg、速度水頭が2gになります。どちらも単位を長さにそろえるための割り算で、混ざりやすい2つです。
覚え方
- ピエゾ水頭は位置水頭+圧力水頭
- 動水勾配線はピエゾ水頭を連ねた線
- 圧力水頭はρg、速度水頭は2gで割る
理解度チェック
動水勾配線は何を連ねた線か。
位置水頭と圧力水頭を足したピエゾ水頭です。速度水頭は含みません。
速度水頭の式は何か。
v²÷(2g)です。分母は2gです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成24年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」8ページ Ⅳ-17
- 公益社団法人 日本技術士会「平成24年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成24年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 液性限界と塑性限界の差は塑性指数
- Ⅳ-2 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅳ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮の半分
- Ⅳ-4 周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅳ-5 無視できるのは速度水頭
- Ⅳ-6 過圧密は有効土被り圧が小さい
- Ⅳ-7 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅳ-8 3つの年度に同じ設問が出ている
- Ⅳ-9 集中荷重2点なら台形の折れ線
- Ⅳ-10 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅳ-11 幹線道路にはB活荷重
- Ⅳ-12 水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅳ-17|損失も足せば全体は一定
- Ⅳ-18 有義波は波高で選ぶ
- Ⅳ-19 ドレーン工は水を抜く工法
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