平成24年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-5 を解説、無視できるのは速度水頭
平成24年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-5は、土中の浸透と地下水に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、地下水の流れでどの水頭を残すかを問うものです。引っかけの核心は圧力水頭と速度水頭が入れ替えてある点で、無視できるのは速度水頭です。
残る4つはダルシーの法則、限界動水勾配、単孔式透水試験、間隙水圧です。いずれも正しい記述です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の透水|ダルシーの法則と動水勾配
各選択肢の正誤
5つのうち4つは浸透の基本です。誤りは1つで、水頭の名前が入れ替えてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 飽和した多孔質媒体中の地下水の流量、速度はダルシーの法則に従う | ○(正しい) | 層流である限り成り立つ |
| 2 限界動水勾配とは、上向きの浸透力で有効応力がゼロになるような動水勾配をいう | ○(正しい) | ボイリングが起きる条件 |
| 3 1本のボーリング孔や井戸で透水係数を求める原位置透水試験を単孔式透水試験という | ○(正しい) | 孔が1本 |
| 4 間隙水圧は土中の間隙水が有する圧力で、水が静止していれば静水圧に等しい | ○(正しい) | 流れがなければ静水圧 |
| 5 圧力水頭は非常に小さいので無視でき、全水頭は速度水頭と位置水頭の和で定義される | ×(誤り) | 無視できるのは速度水頭。全水頭は位置水頭+圧力水頭 |
選択肢5は2つの水頭を入れ替えただけで、文の形はそのままです。どちらが小さいかを考えると決まります。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
地下水の流速は極めて遅いので、速度水頭 v²÷(2g) がほぼゼロになります。だから全水頭は位置水頭と圧力水頭の和で扱えます。
圧力水頭のほうは地下水位からの深さで決まる量で、無視できる大きさではありません。観測井で測るのもこの水頭です。
平成30年度Ⅲ-2も同じ論点を問うています。管路の流れでは速度水頭が効くのに、地下水では効かない点が対になります。
覚え方
- 地下水で無視できるのは速度水頭
- 全水頭は位置水頭+圧力水頭
- 限界動水勾配はボイリングの条件
理解度チェック
地下水の流れで無視できる水頭はどれか。
速度水頭です。流速が極めて遅いためです。
限界動水勾配とはどんな状態か。
上向きの浸透力で土中の有効応力がゼロになる動水勾配です。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成24年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅳ-5
- 公益社団法人 日本技術士会「平成24年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成24年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 液性限界と塑性限界の差は塑性指数
- Ⅳ-2 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅳ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮の半分
- Ⅳ-4 周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅳ-5|無視できるのは速度水頭
- Ⅳ-6 過圧密は有効土被り圧が小さい
- Ⅳ-7 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅳ-8 3つの年度に同じ設問が出ている
- Ⅳ-9 集中荷重2点なら台形の折れ線
- Ⅳ-10 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅳ-11 幹線道路にはB活荷重
- Ⅳ-12 水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅳ-17 損失も足せば全体は一定
- Ⅳ-18 有義波は波高で選ぶ
- Ⅳ-19 ドレーン工は水を抜く工法
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