平成24年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-12 を解説、水セメント比が大きいと中性化が速い
平成24年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅳ-12は、コンクリートの性質に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、水セメント比が性能に効く向きを分かっているかを問うものです。引っかけの核心は中性化速度の向きだけが逆にしてある点で、他の4つは同じ向きに並んでいます。
この設問は平成28年度Ⅲ-10と5つの記述が一字同じで、順序も正答も同じです。並べ替えすらしていません。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:フレッシュコンクリート|ワーカビリティーと材料分離
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述です。水セメント比が効く向きに注目します。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 圧縮強度は水セメント比が大きくなるほど小さくなる | ○(正しい) | 水が多いと組織が粗くなる |
| 2 引張強度は割裂引張強度試験方法によって求める | ○(正しい) | 円柱供試体を横に置いて割る試験 |
| 3 乾燥収縮は単位水量が多いほど大きくなる | ○(正しい) | 抜ける水が多いほど縮む |
| 4 中性化速度は水セメント比が大きくなるほど遅くなる | ×(誤り) | 逆。組織が粗いほど二酸化炭素が入りやすく速く進む |
| 5 凍害対策の1つとして水セメント比を小さくすることが挙げられる | ○(正しい) | 組織を緻密にして水の侵入を減らす |
選択肢1と5はどちらも水セメント比を小さくする方向に効きます。4だけが逆を向いています。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
水セメント比が大きいということは、水の分だけ硬化後に空隙が残るということです。空隙が多いと二酸化炭素も塩化物イオンも入りやすくなります。
中性化はコンクリート表面から二酸化炭素が入り、アルカリ性を失っていく現象です。組織が粗いほど進む速さが上がります。
平成28年度Ⅲ-10は5つの記述が一字同じで順序も同じ、正答も④でした。設問番号だけがⅣ-12からⅢ-10へ動いています。
覚え方
- 水セメント比が大きいと組織が粗くなり性能が下がる
- 中性化も塩害も速く進む
- 平成28年度Ⅲ-10と同じ設問
理解度チェック
水セメント比が大きいと中性化速度はどうなるか。
速くなります。組織が粗く二酸化炭素が入りやすいためです。
この設問は他の年度にも出ているか。
平成28年度Ⅲ-10に出ています。5つの記述が一字同じで正答も同じです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成24年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅳ-12
- 公益社団法人 日本技術士会「平成24年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成24年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅳ-1 液性限界と塑性限界の差は塑性指数
- Ⅳ-2 間隙比は密度の比から1を引く
- Ⅳ-3 非排水せん断強度は一軸圧縮の半分
- Ⅳ-4 周面抵抗力は杭軸方向にはたらく
- Ⅳ-5 無視できるのは速度水頭
- Ⅳ-6 過圧密は有効土被り圧が小さい
- Ⅳ-7 台形の図心は下底側に寄る
- Ⅳ-8 3つの年度に同じ設問が出ている
- Ⅳ-9 集中荷重2点なら台形の折れ線
- Ⅳ-10 支圧接合は溶接と併用しない
- Ⅳ-11 幹線道路にはB活荷重
- Ⅳ-12|水セメント比が大きいと中性化が速い
- Ⅳ-17 損失も足せば全体は一定
- Ⅳ-18 有義波は波高で選ぶ
- Ⅳ-19 ドレーン工は水を抜く工法
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