令和元年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-9 を解説、活荷重は最も不利になるように載せる
令和元年度 建設部門Ⅲ-9は、道路橋に働く作用について5つの記述を並べた設問です。
この問題のポイント
活荷重は、着目する部材の応答が最も不利になる載せ方で載荷します。
選択肢1は「最も有利となる方法で」と書いているので、そこで切れます。設計は、起こりうる中で最も厳しい載り方を想定して安全を確かめる作業です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢1(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:道路橋の床版|T荷重は集中荷重
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 最も有利となる方法で載荷 | ×(誤り) | 最も不利となる方法で載荷する |
| 2 床版・床組はT荷重 | ○(正しい) | T荷重は集中荷重として扱う |
| 3 衝撃は係数を乗じる | ○(正しい) | 静的な活荷重に衝撃係数を掛けて考慮する |
| 4 基準温度は+20℃、寒冷地は+10℃ | ○(正しい) | 温度変化による作用を考えるときの基準 |
| 5 吊橋・斜張橋は風の動的影響 | ○(正しい) | たわみやすい橋では風による振動を検討する |
有利な載せ方で確かめても、実際に不利な載り方をしたときに持ちません。残る4つはT荷重・衝撃係数・基準温度・風の動的影響で、いずれも正しい記述です。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
2つの活荷重
★T荷重が「集中荷重」と正しく書かれている年度
令和2年度Ⅲ-9では「等分布荷重(T荷重)」という書き方で崩してありました。令和元年度のこの設問では、T荷重は集中荷重として正しく書かれています。
同じ用語が、ある年は正しい記述、別の年は誤りの記述として出ます。正しい姿を1つ覚えておけば、崩された年にも気づけます。
最も不利な載せ方を探す作業
着目する断面の曲げモーメントを最大にしたいなら、荷重をどこに置くかを変えて探します。影響線を使うと、どの位置に載せると応答が最大になるかが読めます。
橋の設計では、この載せ方の探索そのものが計算の中身です。だから「有利な載せ方」という言い回しは、設計の趣旨と正面から食い違います。
基準温度の2つの値
一般の地域は+20℃、寒冷地は+10℃を基準温度とします。そこからの温度差で部材が伸び縮みする分を作用として考えます。
数字が2つあるので、どちらが寒冷地かを取り違えないようにします。
覚え方
- 活荷重は最も不利になる載せ方で載荷(有利ではない)
- 床版・床組はT荷重(集中荷重)、主桁はL荷重(等分布+線荷重)
- 基準温度は+20℃、寒冷地は+10℃
理解度チェック
活荷重はどう載せるか。
着目する部材の応答が最も不利になる載せ方です。
床版と床組に使う活荷重は何か。
T荷重です。集中荷重として扱います。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」6ページ Ⅲ-9
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月