令和元年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-7 を解説、浸透探傷試験は表面の欠陥だけ
令和元年度 建設部門Ⅲ-7は、鋼材の非破壊試験について5つの記述を並べた設問です。
この問題のポイント
浸透探傷試験は、表面に開口した欠陥にしか使えません。
選択肢2は「内部欠陥に浸透液を浸透させた後」と書いているので、ここで切れます。液が入っていくには、欠陥が表面につながっている必要があります。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢2(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:非破壊試験|表面を見るものと内部を見るもの
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 磁粉探傷 | ○(正しい) | 強磁性体を磁化し、欠陥部の磁極による磁粉の付着で検出する |
| 2 浸透探傷を内部欠陥に使う | ×(誤り) | 表面に開口した欠陥だけ。液が入る必要がある |
| 3 放射線透過 | ○(正しい) | 透過した放射線の強さの変化から欠陥の状態を調べる |
| 4 超音波探傷 | ○(正しい) | 試験体が示す音響的性質を使って内部欠陥を調べる |
| 5 渦流探傷 | ○(正しい) | 導体に渦電流を発生させ、その変化で欠陥を検出する |
内部の欠陥を見るなら、超音波探傷か放射線透過を使います。残る4つは磁粉探傷・超音波探傷・放射線透過の説明で、いずれも正しい記述です。
選択肢2のポイント(ここが誤り)
どこの欠陥を見るか
★令和5年度Ⅲ-8と同じ設問で、正答の番号が違う
令和元年度Ⅲ-7と令和5年度Ⅲ-8は、同じ5つの記述が並ぶ設問です。令和元年度の正答は選択肢2、令和5年度の正答は選択肢4でした。
設問番号も正答の番号も動いているので、位置で覚えるやり方は通用しません。覚えるのは「浸透探傷は表面だけ」という中身です。
浸透探傷が表面に限られる仕組み
浸透液を塗ると、表面に開いた欠陥の中へ毛細管現象で入り込みます。余分な液をふき取ってから現像剤を塗ると、欠陥から液がしみ出して見えます。
表面につながっていない欠陥には液が入らないので、そもそも何も出てきません。この仕組みを押さえれば、内部欠陥に使うという記述は成立しないと分かります。
5つの方法の選び分け
表面だけでよく、材質を選びたくないなら浸透探傷です。鋼のような強磁性体で表層まで見たいなら磁粉探傷、導体なら渦流探傷です。
内部を見るなら超音波探傷か放射線透過で、画像として残したいなら後者です。この順で頭に入れておくと、どの記述が入れ替わっているか見えます。
覚え方
- 浸透探傷は表面に開口した欠陥だけ(液が入る必要がある)
- 内部を見るのは超音波探傷と放射線透過
- 磁粉は強磁性体、渦流は導体に限る
理解度チェック
浸透探傷試験で見つかる欠陥はどこにあるか。
表面に開口した欠陥だけです。内部の欠陥は見つかりません。
内部の欠陥を見るにはどうするか。
超音波探傷か放射線透過を使います。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-7
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月