令和元年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12 を解説、コア採取は構造物に穴をあける
令和元年度 建設部門Ⅲ-12は、コンクリート構造物の調査方法について5つの記述を並べた設問です。
この問題のポイント
コアを抜く方法は、構造物に穴をあける局部破壊試験です。
選択肢3は「ほとんど損傷を与えないことから多用できる」と書いていて、そこが誤りです。採取した跡は補修が要りますし、鉄筋を切ってしまう恐れもあります。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:コンクリートの劣化|調査で何を見るか
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 目視とたたき | ○(正しい) | 表面と表層に限られるが、広い範囲を早く見られる |
| 2 たたきで浮きと剥離 | ○(正しい) | 打音の違いで内部の浮きを把握できる |
| 3 コア採取は損傷が少ない | ×(誤り) | 穴をあける局部破壊試験。多用できない |
| 4 反発度法は影響を受ける | ○(正しい) | 含水状態や中性化の程度で値が変わる |
| 5 内部を損傷なく見る | ○(正しい) | 超音波や電磁波などの非破壊試験機器を使う |
必要な箇所に絞って行うもので、数を重ねる調査ではありません。残る4つは目視・たたき・反発度法・非破壊試験機器の説明どおりです。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
損傷の度合いで分ける
コア採取が必要になる場面
反発度法は表面の硬さから強度を推定する方法で、値がぶれます。実際の強度を確かめたいときは、コアを抜いて圧縮試験にかけます。
確実な値が得られる代わりに、構造物に穴が残ります。だから広く当たりを付けるのは非破壊試験、確かめたい箇所だけコアという順序になります。
反発度法の値がぶれる要因
コンクリートが濡れていると、反発度は乾いているときより小さく出ます。表面が中性化していると、逆に硬くなって大きく出ます。
打つ向きが上向きか下向きかでも補正が要ります。こうした要因があるので、推定強度として扱い、実強度とは区別します。
調査の順序
まず目視とたたきで、広い範囲から怪しい箇所を絞ります。次に非破壊試験機器で内部の状態を見ます。
最後に、必要と判断した箇所だけコアを抜きます。この順序を持っていれば、コアを多用するという記述に違和感を持てます。
覚え方
- コア採取は局部破壊試験(穴が残るので多用しない)
- 広く当たりを付けるのは目視・たたき・非破壊試験機器
- 反発度法は含水状態・中性化・打つ向きで値がぶれる
理解度チェック
コア採取は非破壊試験か。
違います。穴をあけるので局部破壊試験にあたります。
反発度法の値は何に影響されるか。
含水状態や中性化の程度、打つ向きです。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」8ページ Ⅲ-12
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月