令和元年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2 を解説、透水係数は土によって変わる
令和元年度 建設部門Ⅲ-2は、土の透水について5つの記述を並べ、最も不適切なものを選ばせる設問です。
この問題のポイント
透水係数は土の種類・密度・飽和度によって変わります。
選択肢1は「変化しない」と書いているので、ここで切れます。変わらない値なら、そもそも供試体ごとに試験をする理由がありません。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢1(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:土の透水|ダルシーの法則と動水勾配
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 透水係数は変化しない | ×(誤り) | 土の種類・密度・飽和度で変わる。だから測る |
| 2 定水位法と変水位法 | ○(正しい) | 変水位法は10のマイナス9乗から5乗m毎秒のシルトや細粒分を含む土 |
| 3 締め固めた供試体の室内試験 | ○(正しい) | アースダム・堤防・道路・埋立地といった人工造成地盤の推定に使う |
| 4 不透水とみなす目安 | ○(正しい) | 10のマイナス9乗m毎秒未満なら実質上不透水と考えてよい |
| 5 ダルシーの法則 | ○(正しい) | 層流である限り、動水勾配と流速に比例関係が成り立つ |
残る4つは、定水位法と変水位法の使い分け、室内試験の位置づけ、不透水とみなす目安、ダルシーの法則で、いずれも正しい記述です。変水位法は10のマイナス9乗から10のマイナス5乗m毎秒あたりの、細粒分を含む土に使います。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
2つの試験の使い分け
透水係数が変わるから試験がある
同じ砂でも、緩く詰めた状態と密に詰めた状態では水の通りやすさが違います。間隙が減れば水の通り道が狭くなるので、透水係数は小さくなります。
飽和度が低いと間隙に空気が残り、水の流れを妨げます。この3つで変わる量だからこそ、現場の状態に合わせて測る必要があります。
透水性が低い土に定水位法を使わない理由
定水位法は、一定時間に流れ出た水の量を量って求めます。粘土のように水を通しにくい土では、量れるだけの水が出るまでに時間がかかりすぎます。
そこで水位の低下から逆算する変水位法を使います。どちらを選ぶかは、測ろうとしている土の透水性で決まります。
★令和2年度Ⅲ-3・令和7年度Ⅲ-1も定水位透水試験
令和2年度Ⅲ-3と令和7年度Ⅲ-1は、どちらも定水位透水試験から透水係数の式を組ませる設問でした。ダルシーの法則 Q=k×(h÷L)×A を1本持っておくと、そのまま使えます。
Ⅲ-1からⅢ-3までは土質の基本量を出させる位置なので、透水は毎年どこかに顔を出します。
覚え方
- 透水係数は土の種類・密度・飽和度で変わる値(だから測る)
- 砂は定水位法、シルト・粘土は変水位法
- 不透水とみなす目安は10のマイナス9乗m毎秒未満
理解度チェック
透水係数は何によって変わるか。
土の種類・密度・飽和度です。同じ土でも締め固め方で変わります。
定水位法と変水位法はどう使い分けるか。
透水性の高い砂は定水位法、低いシルトや粘土は変水位法です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」2ページ Ⅲ-2
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月