令和元年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-6 を解説、長さが3倍ならたわみは27倍
令和元年度 建設部門Ⅲ-6は、長さ3Lの片持ちばりの先端に集中荷重Pが働くときの、先端のたわみを求める設問です。
この問題のポイント
先端荷重の片持ちばりのたわみは δ=PL³÷(3EI) です。
この式のLに、問題文の長さ3Lをそのまま入れます。P×(3L)³÷(3EI)=27PL³÷(3EI) で、約分して 9PL³÷EI です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢3(適切なもの)
> この論点をやさしく解説:片持ちばりのたわみ|長さの3乗で効く
各選択肢の正誤
正しいのは1つで、残る4つはどこかが違います。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 3PL³÷EI | ×(誤り) | 係数が小さい。3乗の扱いを飛ばした側 |
| 2 6PL³÷EI | ×(誤り) | 27を3で割った値と合わない |
| 3 9PL³÷EI | ○(正しい) | 27PL³÷(3EI)を約分した値 |
| 4 12PL³÷EI | ×(誤り) | 27を3で割った値と合わない |
| 5 15PL³÷EI | ×(誤り) | 27を3で割った値と合わない |
選択肢は 3・6・9・12・15 と係数だけを並べた形なので、27を3で割るところまで進めれば1本に決まります。3乗を忘れると係数が小さくなり、分母の3で割り忘れると大きくなります。
選択肢3のポイント(ここが誤り)
代入の手順
長さは3乗で効く
たわみの式には長さの3乗が入るので、長さが2倍なら8倍、3倍なら27倍です。断面を大きくするより、支点間を短くするほうが効くのはこのためです。
設計でスパンを詰める判断は、この3乗から来ています。分母の3は公式に含まれる係数なので、長さの3乗とは別ものです。
等分布荷重だと8分の1になる
先端に集中荷重が載るとき δ=PL³÷(3EI) です。同じ片持ちばりに等分布荷重wが載るときは δ=wL⁴÷(8EI) です。
分母が3から8に変わり、長さも3乗から4乗になります。荷重の形が変わると係数も次数も変わるので、対で覚えます。
★令和7年度Ⅲ-5も片持ちばりのたわみ
令和7年度Ⅲ-5も同じ片持ちばりの先端たわみを問う設問でした。Ⅲ-5とⅢ-6は7年続けて構造力学の位置なので、たわみの式は毎年どこかで要ります。
先端集中と等分布の2本を持っておけば足ります。
覚え方
- 片持ちばりの先端たわみは δ=PL³÷(3EI)
- 長さは3乗で効く(2倍で8倍・3倍で27倍)
- 等分布荷重なら δ=wL⁴÷(8EI)(4乗・分母8)
理解度チェック
先端荷重の片持ちばりのたわみはどう表すか。
δ=PL³÷(3EI) です。
長さが3倍になるとたわみは何倍か。
3乗で効くので27倍です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」5ページ Ⅲ-6
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月