令和元年度(再試験) 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-19 を解説、跳水は射流から常流へ移るとき
令和元年度(再試験) 建設部門Ⅲ-19は、開水路流れについて5つの記述を並べた設問です。
この問題のポイント
跳水は、射流から常流へ移るときに起きます。
選択肢4は「常流から射流に移る場合」と書いているので、向きが逆です。速くて浅い射流が、遅くて深い常流にぶつかると、水面が跳ね上がってエネルギーを失います。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述なので、誤っている1つを探します。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 常流の水深は限界水深より大きい | ○(正しい) | 同じ流量なら常流のほうが深い |
| 2 射流はフルード数が1より大きい | ○(正しい) | フルード数1が常流と射流の境 |
| 3 射流は水路勾配が限界勾配より大きい | ○(正しい) | 急な勾配で射流になる |
| 4 常流から射流へ移ると跳水 | ×(誤り) | 跳水は射流から常流へ移るとき |
| 5 平均流速は粗度係数に反比例 | ○(正しい) | マニングの式で粗度係数は分母にある |
逆向きに移るときは水面がなめらかに下がるだけで、跳水にはなりません。残る4つは常流と射流の対比とマニングの式で、いずれも正しい記述です。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
常流と射流
跳水が一方向にしか起きない理由
射流は速度エネルギーが大きく、常流は位置エネルギーが大きい流れです。射流から常流へ移るときは、余った速度エネルギーを捨てる必要があります。
その捨て方が跳水で、水面が乱れて渦を作りながらエネルギーを消費します。逆向きは加速するだけなので、乱れる必要がありません。
跳水を使う場面
ダムの放流部では、勢いよく落ちた水がそのまま下流の河床を削ります。そこで意図的に跳水を起こし、エネルギーを消してから流します。
この目的で作る構造物を減勢工といいます。跳水は避けるものではなく、使う現象でもあります。
★選択肢5は年度によって正誤が入れ替わる
この年度の選択肢5は「粗度係数に反比例する」で正しい記述です。令和元年度(本試験)Ⅲ-18と令和3年度Ⅲ-19では「比例する」と書かれて誤り肢でした。
同じ内容が、ある年は正しい記述、別の年は誤りの記述として出ます。正しいほうを覚えておけば、どちらの形でも判断できます。
覚え方
- 跳水は射流から常流へ移るときだけ
- 常流は深く遅くフルード数1未満、射流は浅く速く1超
- 減勢工は跳水をわざと起こしてエネルギーを消す
理解度チェック
跳水はどちらの向きで起きるか。
射流から常流へ移るときです。逆ではありません。
フルード数が1より大きいのはどちらか。
射流です。1が常流と射流の境になります。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度(再試験) 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」10ページ Ⅲ-19
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度(再試験) 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月