令和元年度(再試験) 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-6 を解説、両端固定は座屈長さが半分
令和元年度(再試験) 建設部門Ⅲ-6は、長さLの柱の弾性座屈荷重を求める設問です。
この問題のポイント
オイラーの座屈荷重は Pcr=π²EI÷Lk² で、Lkは座屈長さです。
両端固定の座屈長さは Lk=0.5L です。代入すると Pcr=π²EI÷(0.5L)² で、分母が4分の1になるので 4π²EI÷L² です。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(最も適切なもの)
> この論点をやさしく解説:座屈|細長いほど小さな力で起きる
各選択肢の正誤
正しいのは1つで、残る4つはどこかが違います。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 π²EI÷(4L²) | ×(誤り) | 座屈長さ2L。一端固定・他端自由のときの値 |
| 2 π²EI÷(2L²) | ×(誤り) | どの支持条件にも当たらない |
| 3 π²EI÷L² | ×(誤り) | 座屈長さL。両端ピンのときの値 |
| 4 2π²EI÷L² | ×(誤り) | 座屈長さ0.7L。一端固定・他端ピンに近い値 |
| 5 4π²EI÷L² | ○(正しい) | 座屈長さ0.5L。両端固定のときの値 |
支持条件を読み違えると、座屈長さがL や 2L になって別の選択肢に落ちます。5つの選択肢は、ちょうど4通りの支持条件に対応する値が並んでいます。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
支持条件と座屈長さ
座屈長さが半分になる意味
座屈長さは、たわんだ形のうち片方だけに膨らむ区間の長さです。両端が固定されていると柱はS字にたわむので、膨らみ1つぶんは全長の半分で済みます。
その半分が座屈長さになり、2乗で効くので座屈荷重は4倍です。端をしっかり留めるほど強くなるのは、この長さが短くなるからです。
2乗で効くことの重み
座屈荷重は座屈長さの2乗に反比例します。だから0.5倍にすれば4倍、2倍にすれば4分の1です。
選択肢1と5は16倍の開きがあり、支持条件の読み違えがそのまま出ます。図の「回転:固定」「移動:固定」という書き込みを1つずつ確かめます。
★令和6年度Ⅲ-5も長柱の座屈荷重
令和6年度Ⅲ-5も同じオイラーの式を使う設問でした。座屈は構造力学の設問で繰り返し出るので、この表は1枚持っておく価値があります。
基礎科目のⅠ-3でも同じ式が出ます。
覚え方
- オイラーの座屈荷重は Pcr=π²EI÷Lk²
- 座屈長さは両端固定0.5L/一端固定他端ピン0.7L/両端ピンL/一端固定他端自由2L
- 長さは2乗で効く(半分なら4倍)
理解度チェック
両端固定の座屈長さはいくらか。
0.5Lです。座屈荷重は4π²EI÷L² です。
座屈荷重は座屈長さにどう効くか。
2乗に反比例します。長さが半分なら荷重は4倍です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度(再試験) 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」3ページ Ⅲ-6
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度(再試験) 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月