令和元年度(再試験) 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-2 を解説、地表面より上の水は有効応力を変えない
令和元年度(再試験) 建設部門Ⅲ-2は、水面の位置が違う4つの地盤について、深さ5.0mの点Aの鉛直有効応力が地盤aと等しいものを選ぶ設問です。
この問題のポイント
地表面より上にある水は、全応力も間隙水圧も同じだけ増やします。だから有効応力は変わりません。
地盤cは水面が地表面の1m上、地盤dは2m上ですが、どちらも有効応力は地盤aと同じ40kN/m²です。地盤bだけは地下水面が地表面より2m下がっていて、そこに湿潤単位体積重量の層ができます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(適切な組合せ)
> この論点をやさしく解説:有効応力|全応力から間隙水圧を引いた値
各選択肢の正誤
組合せのどこが入れ替えてあるかを1行ずつ確かめます。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 地盤b | ×(誤り) | bは有効応力が56で、aの40と違う |
| 2 地盤c | ×(誤り) | cは正しいが、dも同じ値なので片方だけでは足りない |
| 3 地盤d | ×(誤り) | dは正しいが、cも同じ値なので片方だけでは足りない |
| 4 地盤bと地盤c | ×(誤り) | bが違う |
| 5 地盤cと地盤d | ○(正しい) | どちらも有効応力が40でaと等しい |
水がない分だけ間隙水圧が減るので、有効応力は56kN/m²に上がります。この一言を知っていれば、4つとも計算しなくてもcとdに絞れます。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
4つの地盤の計算
上の水が効かない仕組み
地表面の上に水が1m載ると、その重さの分だけ全応力が10kN/m²増えます。同時に、点Aの間隙水圧も水柱が1m伸びた分だけ10kN/m²増えます。
有効応力は全応力から間隙水圧を引いた値なので、増えた分どうしが打ち消し合います。湖の底でも海の底でも、水深によらず地盤の有効応力が同じなのはこのためです。
地盤bだけ違う理由
地下水面が地表面より下がると、その上は水で満たされていない層になります。湿潤単位体積重量16.0は飽和の18.0より小さいので、全応力は少し減ります。
一方で間隙水圧は水柱が3mぶんしかないので、こちらは大きく減ります。減り方が違うので、差である有効応力は増えます。
計算せずに答えを絞る
水面が地表面より上にある地盤を探すと、cとdの2つが見つかります。どちらも地盤aと同じ有効応力になるので、両方を含む選択肢は5だけです。
計算は答え合わせに使えば足ります。
覚え方
- 地表面より上の水は有効応力を変えない(全応力も間隙水圧も同じだけ増える)
- 有効応力が変わるのは地下水面が地表面より下がったとき
- 湖底でも海底でも水深によらず同じ
理解度チェック
地表面より上の水は有効応力を変えるか。
変えません。全応力と間隙水圧を同じだけ増やすので打ち消し合います。
地盤bだけ違う値になるのはなぜか。
地下水面が地表面より下がり、間隙水圧が大きく減るからです。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度(再試験) 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」1ページ Ⅲ-2
公益社団法人 日本技術士会「令和元年度(再試験) 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月