平成26年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12 を解説、乾燥収縮は部材が大きいほど小さい
平成26年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12は、コンクリートの性質に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、乾燥収縮とクリープが部材の寸法でどう変わるかを問うものです。引っかけの核心は比例か反比例かで、選択肢2のクリープは正しい向きで書いてあります。
同じ量を扱う2つを並べて読むと、片方だけが逆を向いていることが見えます。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢1(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:フレッシュコンクリート|ワーカビリティーと材料分離
各選択肢の正誤
5つのうち4つは正しい記述です。誤りは1つで、比例の向きが逆にしてあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 乾燥収縮ひずみは部材の寸法に比例する | ×(誤り) | 反比例。大きい部材ほど水が抜けにくく収縮が小さい |
| 2 クリープは湿度が小さいほど、部材の寸法が小さいほど大きい | ○(正しい) | 乾燥収縮と同じ向き |
| 3 水セメント比が大きくなるにしたがって強度は小さくなる | ○(正しい) | 組織が粗くなる |
| 4 引張強度は圧縮強度の10分の1から13分の1程度である | ○(正しい) | 圧縮に強く引張に弱い |
| 5 セメントの水和反応が進行するに従って強度は大きくなる | ○(正しい) | 材齢とともに伸びる |
選択肢1と2は同じ部材の寸法を扱っています。2が正しい向きなので、突き合わせれば1の誤りが出ます。
選択肢1のポイント(ここが誤り)
乾燥収縮はコンクリートから水が抜けることで起きる縮みです。部材が大きいほど内部の水が外に出にくいので、収縮ひずみは小さくなります。
クリープも同じ理屈で、部材が小さいほど大きくなります。選択肢2はその向きを正しく書いています。
選択肢4の10分の1から13分の1という数字は、コンクリートが圧縮に強く引張に弱いことを表す定数です。だから引張は鉄筋に受け持たせます。
覚え方
- 乾燥収縮は部材が大きいほど小さい
- クリープも同じ向き
- 引張強度は圧縮強度の10分の1から13分の1
理解度チェック
部材が大きいと乾燥収縮ひずみはどうなるか。
小さくなります。内部の水が外へ出にくいためです。
コンクリートの引張強度は圧縮強度のどのくらいか。
10分の1から13分の1程度です。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成26年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」7ページ Ⅲ-12
- 公益社団法人 日本技術士会「平成26年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成26年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 締固めエネルギーで曲線が動く
- Ⅲ-2 定水位と変水位の適用範囲
- Ⅲ-3 土が緩む側は主働状態
- Ⅲ-4 有効土被り圧が小さい側は過圧密
- Ⅲ-5 ダイレイタンシーは体積を変える
- Ⅲ-6 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-7 平成29年度と選択肢が同じ設問
- Ⅲ-8 三角形分布荷重は3次曲線
- Ⅲ-9 引張接合は軸方向の引張で伝える
- Ⅲ-10 床版に載せるのはT荷重
- Ⅲ-11 早強は寒中と急ぐ工事に使う
- Ⅲ-12|乾燥収縮は部材が大きいほど小さい
- Ⅲ-17 津波は浅水波として伝わる
- Ⅲ-18 高水敷に設置されるのは低水護岸
- Ⅲ-19 粒径が大きいほど天端幅は大きくする
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