令和7年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-12 を解説、劣化機構の組合せ
令和7年度 建設部門Ⅲ-12は、置かれる環境から起きる劣化を選ぶ設問です。
この問題のポイント
4つは環境と機構が素直に対応しています。
寒冷地域だけが、凍害を書くべきところにすりへりが書いてあります。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢5(そこから推定される劣化機構)
> この論点をやさしく解説:コンクリートの劣化機構|寒冷地域は凍害、ASRはアルカリ性で膨張
各選択肢の正誤
正しいのは1つで、残る4つはどこかが違います。
| 選択肢 | 正誤 | 根拠 |
|---|---|---|
| 1 凍結防止剤の使用 | ○(正しい) | 塩化物を含むので塩害、アルカリ分の供給でアルカリシリカ反応にも効く |
| 2 繰返し荷重 | ○(正しい) | 疲労とすりへりが対応する |
| 3 海岸地域 | ○(正しい) | 飛来塩分で塩害、硫酸塩による化学的侵食も起こる |
| 4 二酸化炭素 | ○(正しい) | 中性化が進み、水の浸透を伴って鋼材が腐食する |
| 5 寒冷地域 | ×(誤り) | 対応するのは凍害。すりへりは繰返し荷重の側になる |
環境の言葉から機構を先に思い浮かべてから、選択肢を見ます。
選択肢5のポイント(ここが誤り)
選択肢5のどこが誤りか
寒冷地域では、コンクリート中の水分が凍結と融解を繰り返します。その結果として表面からスケーリング、微細ひび割れ、ポップアウトの形で劣化が進みます。
これが凍害で、寒冷地域から真っ先に出てくる機構です。すりへりは車両や流水による摩耗で、寒さとは結び付きません。
Ⅲ-12は4年連続で劣化が出ている
令和4年度から令和7年度まで、Ⅲ-12はすべてコンクリート構造物の劣化でした。問い方は機構の定義・外観の特徴との組合せ・環境との組合せで年ごとに変わります。
出てくるのはアルカリシリカ反応・塩害・凍害・化学的侵食・床版の疲労でほぼ同じです。
覚え方
- 環境の言葉に含まれている物質から機構を引きます。塩化物なら塩害、二酸化炭素なら中性化、水と低温なら凍害です。
- すりへりだけは物質ではなく力の作用なので、荷重や流れが書かれていないときに選ぶと外します。
理解度チェック
寒冷地域に対応する劣化機構は何か。
凍害です。水分の凍結と融解の繰返しでスケーリングやポップアウトが生じます。
すりへりはどの作用と結び付くか。
繰返し荷重です。車両や流水による摩耗で、低温とは結び付きません。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」7ページ Ⅲ-12
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度〜令和6年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」Ⅲ-12
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」(令和4年度〜令和7年度)
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月