平成25年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-11 を解説、BMSはコストの名前ではない
平成25年度 技術士第一次試験 建設部門 Ⅲ-11は、我が国の道路橋に関する問題です。この問題では、5つの記述のうち最も不適切なものを選びます。
この問題のポイント
この問題は、維持管理の用語を正しく使えるかを問うものです。引っかけの核心はBMSの中身をライフサイクルコストの定義にすり替えてある点で、略語だけ覚えていると通り過ぎます。
この設問は平成28年度Ⅲ-9とほぼ同じで、正答も位置も同じです。1番目が差し替えてあり、5番目の「き裂」は平成28年度で「亀裂」になっています。
※ 問題文と選択肢そのものは、公益社団法人 日本技術士会が公開している公式PDFで確認できます。
正答:選択肢4(最も不適切なもの)
> この論点をやさしく解説:鋼橋の維持管理|疲労と遅れ破壊
各選択肢の正誤
5つのうち4つは道路橋の維持管理で言われていることです。誤りは用語の定義にあります。
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 道路橋の建設時期が昭和40〜50年代に集中しており、高齢化と維持管理負担の増大が急速に進む | ○(正しい) | 一斉に更新期を迎える |
| 2 床版は通行車両を直接支持し床組・主構造に荷重を伝達する部材 | ○(正しい) | 損傷は走行性に直結する |
| 3 耐震設計上有利で振動や衝撃音も緩和できることから単純桁の連続化が行われる | ○(正しい) | 伸縮装置を減らせる |
| 4 初期コストと維持管理・架け替えを含めたトータルのコストをBMSという | ×(誤り) | それはライフサイクルコスト。BMSは管理の仕組み |
| 5 伸縮装置に段差・破損・はがれ・き裂が生じると衝撃音や走行性に悪影響 | ○(正しい) | 連続化で減らしたい損傷 |
選択肢3と5はどちらも伸縮装置の話で、内容がつながっています。並べて読むと筋が通っていることが分かります。
選択肢4のポイント(ここが誤り)
BMSは橋梁の点検・診断・補修を計画的に回すための仕組みです。データベースを持ち、限られた予算をどこに配るかを決めるために使います。
トータルのコストを表す言葉はライフサイクルコストです。BMSはそのコストを小さくするための道具であって、コストそのものの名前ではありません。
平成28年度Ⅲ-9は1番目が「建設後50年以上経過する施設の割合が今後20年間で加速度的に高くなる」に差し替えてあり、残る4つは一字同じです。正答も④のままでした。
覚え方
- トータルのコストはライフサイクルコスト
- BMSは点検・診断・補修を回す仕組み
- 連続化は伸縮装置を減らす
理解度チェック
初期コストから架け替えまでを含めたコストを何と呼ぶか。
ライフサイクルコストです。BMSはコストの名前ではありません。
この設問は他の年度にも出ているか。
平成28年度Ⅲ-9に出ています。1番目だけ差し替えてあり、正答も同じです。
出典
- 公益社団法人 日本技術士会「平成25年度 技術士第一次試験問題〔専門科目 建設部門〕」7ページ Ⅲ-11
- 公益社団法人 日本技術士会「平成25年度 技術士第一次試験 試験問題の正答」
※ 問題文と選択肢は掲載していません。上の表は各選択肢で問われている論点で、実際の設問は公式PDFで確認できます。
※ この記事の確認日:2026年7月
▼平成25年度 建設部門(35問中 解説15問)▼
- Ⅲ-1 最大間隙比は最も緩い状態
- Ⅲ-2 三相図で分母を確かめる
- Ⅲ-3 ダルシーの法則は流速と動水勾配
- Ⅲ-4 過圧密は有効土被り圧が小さい
- Ⅲ-5 排水試験は応力変化がゆっくり
- Ⅲ-6 土くさびで解くのはクーロン
- Ⅲ-7 断面二次半径は幅に依存しない
- Ⅲ-8 相反定理でたわみを移し替える
- Ⅲ-9 集中荷重の曲げモーメント図は折れ線
- Ⅲ-10 平成27年度とほぼ同じ設問
- Ⅲ-11|BMSはコストの名前ではない
- Ⅲ-12 高炉セメントは高炉スラグ
- Ⅲ-17 平成28年度とほぼ同じ設問
- Ⅲ-18 浅水変形は水深だけで起きる
- Ⅲ-19 ドレーンは水を抜く施設
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