令和7年度 学科試験1 問9は、水道法第15条の給水義務に関する問題です。5つの記述のうち、不適当なものを1つ選びます。
4つは条文どおりで、誤りは最後の1つです。需要者が水道事業者を自由に選べるという記述が誤りになります。
水道事業は給水区域ごとに認可される仕組みで、区域が重複しないよう認可制度が働いています。だから居住地によって水道事業者は決まり、選択の余地がありません。
※ 問題文そのものは、公益財団法人 給水工事技術振興財団が公開している過去5年間の試験問題で確認できます。
正解:選択肢5(不適当な記述)
| 選択肢 | 正誤 | 解説 |
|---|---|---|
| 1 | ○(正しい) | 正当な理由なしに給水装置の検査を拒んだときは、供給規程の定めるところにより給水を停止できます(第15条第3項) |
| 2 | ○(正しい) | 料金を支払わないときも同様に給水を停止できます(第15条第3項) |
| 3 | ○(正しい) | 災害その他正当な理由があってやむを得ない場合は、給水区域の全部又は一部につき給水を停止できます(第15条第2項ただし書) |
| 4 | ○(正しい) | 給水契約の申込みは正当の理由がなければ拒めません。裏を返せば正当な理由があれば拒めます(第15条第1項) |
| 5 | ×(誤り) | 需要者が水道事業者を自由に選択することはできません。水道事業は給水区域ごとに認可されており、区域の重複は認可制度で回避されています |
選ぶ自由はありません。
水道事業を経営するには給水区域を定めて認可を受ける必要があり、認可制度によって複数の水道事業者の給水区域が重複することによる不合理・不経済が回避されています。結果として、ある場所に給水するのは1つの水道事業者だけになります。
この「選べる」とした肢は、令和5年にも同じ形で誤りとして出ています。2年度で繰り返されている論点です。
あわせて、給水義務の条文は「しなければならない/できる」の書き分けが問われます。
水道法 第15条第1項・第2項(給水義務)
水道事業者は、事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならない。
2 水道事業者は、当該水道により給水を受ける者に対し、常時水を供給しなければならない。ただし、(中略)災害その他正当な理由があつてやむを得ない場合には、給水区域の全部又は一部につきその間給水を停止することができる。
原則は「拒めない・常時供給」で、例外が「正当の理由」です。「いかなる場合であっても拒めない」とする肢は別の年度で誤りになっています。
給水義務の全体は供給規程とは?給水義務の相手は誰か・契約は必ず結ぶのかで扱っています。
需要者は水道事業者を選べるか。
選べません。水道事業は給水区域ごとに認可され、認可制度によって区域の重複が回避されています。
水道事業者が給水契約の申込みを拒めるのはどんなときか。
正当の理由があるときです。正当の理由がなければ拒んではならないと定められています。
給水を停止できるのはどんなときか。
料金を支払わないとき、正当な理由なしに給水装置の検査を拒んだとき、その他正当な理由があるときです。災害等でやむを得ない場合は区域単位の停止もできます。
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法令・基準は改正されることがあります。最新の内容は国土交通省およびe-Gov法令検索でご確認ください。給水装置の設置条件や施工方法は水道事業者ごとの基準によります。
参考資料
※ この記事の確認日:2026年8月
水道行政