Tです。
あなたは
- 一級建築士はどのくらい難しいの?
- 一級建築士の難易度は今と昔で違うの?
と思っていませんか。
これから試験を受けるのに、難易度も知らないようでは合格できません。
合格率100%の試験と、30%の試験ではモチベーションの上げ方、勉強時間も違ってきますよね。
今回は一級建築士の難易度、今と現在の違い、大学別による合格者数の違いを考察しました。参考にしてください。
なお、学科試験の難易度をを考察した記事もあります。
あ、ちなみに一級の学科試験は独学で合格しました。下記の記事もおすすめです。
一級建築士の難易度とは?
一級建築士試験は国家資格なので、難易度は少々高めです。1次試験と2次試験があることが理由で、1次試験で大体の人が落ちます。それぞれ、合格率は下記です。
- 1次試験 15~20%前後(近年は18%)
- 2次試験 50%以下
一級建築士に合格するためには、まずは1次試験です。試験範囲は幅広く4択形式ですが、ほとんどが「不適当なものを探す」問題のため、回答に悩む設問構成です。試験会場にいる8割が落される事実からも、難易度の高さが伺えます。
2次試験は半分以上が合格できるのですが、1次試験を合格した猛者が半分以上も落ちている、と考えてください。けっして簡単な試験ではありません。
一級建築士の難易度と、今と昔の違い
「一級建築士」とGoogle検索すると、ヤフー知恵袋にこんな質問がありました。
Q 1級建築士って、たくさんいますが、実際、大学の建築科を出れば普通に取れるものですか?難易度は?
A 簡単に取れますよ。昔の一級建築士は価値が有りましたが今は沢山居ます。よほど才能が無ければ仕事はありません。
一級建築士の資格に、昔ほど価値が無いのは確かですね…。あと世間が思っているより勝ち組では無いのでね…
一方で、一級建築士合格のハードルはとても上がりました。姉歯事件以降、以前で合格率が激変したのです。姉歯事件以前、以降で合格点を比較しました。
- 姉歯事件以前 合格点=60~67/100(正答率60~67%)
- 姉歯事件以降 合格点=90/125(正答率72%)
昔は100点満点中、60~67点とれば合格水準です。正直楽勝です。現在は125点満点中、90点以上取る必要があります。これは最低でも72%の正答率が求められています。
一級建築士の試験は、1~2点が合否を分けます。正答率のハードルが上がったのは、受験生にとっては苦しい事実ですね。昔は簡単な試験だった、とのでしょうか。
「昔の試験は簡単だった」という意見に、「合格率は変わっていないから難易度は同じ」という反論もあるでしょう。確かに学科の合格率は下図のように推移しています。
合格率は、平均18%程度です。
2度ほど有り得ない合格率があります。この理由は後述します。
高い正答率を求められている一方で、合格率が今と昔で同じです。今の試験は、受験者のレベルが相当底上げされている、ということです。
逆に言えば、昔の受験者は点数が低くても合格できた、ということでしょうか。
近年の動向(2020年)
本ブログで懸念していたように、令和2年から試験体制の緩和が起きました。緩和自体は良いことだと思いますが、
「将来的に一級建築士がゴッソリ減るし受験者も減っているから、ここらでテコ入れするか」
的な感じです。詳細は下記を読んで頂きたいですが、「場当たり的に」色々変えるのは変だなと、僕は思います。
一級建築士試験の仕組みは正しいのか?
学科試験の合格水準点は90点以上と言われています。合格点は受験者の得点に対して相対的に上下します。例えば問題が簡単で皆の点数が高い場合、上位18%を合格させるためには合格点は上がります。
この仕組み自体必要か?と思うことがあります。合格点が90点なら、それ以上の点数を取ったものが合格でいいのでは、と思います。国としては、現在の仕組みにする理由として、下記が挙げられます。
- 一級建築士が増えすぎる
- 資格の価値を下げない
国は、増えすぎた一級建築士を減らしたいと思っているでしょう。前述した合格率の水位を思い出してください。なぜ2年連続で合格率が25%まで上がったのか。「一級建築士を増やしたい」という意思が働いていないでしょうか?
国の施策で合格率が変動する。それってどうなんでしょう?
一時期合格率を25%にして、一級建築士のレベルを落としたのは運営側。突然、試験問題数を増やしたり、合格点を引き上げたり、足切り制度をつくったのは、僕たちは何の関係もないです。
こんな落ち着きのない国家資格他にはありませんよ。で、また団塊の世代が一気に抜けて一級建築士の人材が不足したら合格率を上げるのでしょうか?振り回されてばかりで嫌になります。
そういえば建築士法が改正されましたね。受験資格の要件が変わり、実務経験不要で一級建築士の受験が可能に。
要は学生でも受験可能。合格率は変わらないだろうし(変わったら大問題)、学生さんの方が勉強時間がとれるから、実務者の方が益々厳しくなるのかな?
一級建築士の難易度と、大学別の合格者数
一級建築士の合格者数は、大学別で公表されています。下図をみてください。過去5年間の合格者数を大学別にまとめました(少し見づらいので、大きくしてください)。
簡単に言うと、日本大学がダントツ1位、次点で東京理科大学、芝浦工業大学、早稲田大学が続きます。
トップ4の大学は、いずれも私立大学です。要するに「大学の規模が大きいから、受験者数が多い」のです。
一級建築士は難しい資格です!
一級建築士って、建築設計をする人なら結構誰でも持っている資格じゃないですか。
だけど見くびっては駄目。まずは難しい資格だと認識してください。
その代わり、モチベーションをガンガンあげて4ヶ月くらい必死で勉強すれば独学で誰でも合格できる。
実際は僕は独学で学科試験に合格しました。詳細はこちら⇒ 一級建築士は独学でコスパ良く合格!独学で80万円得した勉強法と必要なモチベーション
学科試験に合格した僕が読んだ本3つ
最後に、学科試験に合格した年に、僕が読んだ本を紹介しておきます。
一級建築士受験 合格者たちの勉強法
合格者の勉強法、合格ノウハウがまとめられた本。一級建築士試験を受ける人たちには有名な、ウラ指導さんの本。サクッと読めるのが良い。
一級建築士合格戦略 法規のウラ指導
こちらもウラ指導さんの本。法規が苦手な人におすすめ。
1級建築士 過去問題集チャレンジ7
日建学院が出版する過去問題集。6年分の過去問が収録されている。学科試験は独学でいけるので、学校へいくお金が無い人におすすめ。
まとめ
以上、一級建築士の難易度を紹介しました。結論ですが
- 一級建築士試験は難しい。見くびるな!
ということを忘れずに。
1次試験の合格率は約2割です。けっして気を緩めないでください。一級建築士は難関資格だ、という意識を常に持ち続けてくださいね。
ちなみに僕は、一級建築士学科試験に合格しております。どうやって合格したか知りたい方は下記をご覧ください。