ども、tyazukeです。
「建築士になったら、いくら稼げるんだろう?」学生の時、漠然と思う疑問ですよね。でも意外と年収の情報ってわかりません。
大学の先生も知らないし、OBに聞こうにも聞いちゃいけないような気がして、結局うやむやに。ネットで調べても本当に正しい情報か、判断できないですよね。
年収を知ることは大切です。自分のライフプランや、将来描きたい人生が明確になりますからね。
僕も学生の頃知りたかった。知っていれば設計事務所に就職しなかった・・・かも。
もそも学生の頃って、将来は「設計事務所」「ゼネコン」「公務員」くらいしか就職先が見えてないじゃないですか。年収云々の前に、他の選択肢があることを知るキッカケがあればなぁと。
そういう意味では、この本は学生の就活、建築系社会人の転職にも参考になります。
さて、僕は中小の組織設計事務所に勤めて5年になります。学生の皆さんからすれば、随分と建築業界人の先輩なわけです。毎月、事務所所員としてお給料を頂いています。
設計事務所は人材が流動的で、ゼネコン、ハウスメーカーなど様々な業種へ転職をします。僕は、そんな転職した事務所OBに「年収おいくら?」と聞いてきました。今回はそれを一挙公開。
つまり、これから書く年収事情は建築業界の「リアル」。
ということで今回は、業界人が教える本当の一級建築士の年収を紹介します。
設計事務所の年収は業界最下位
まず、設計事務所の年収を紹介します。僕は設計事務所に勤めていますが、ゼネコン、メーカーと比べると圧倒的に年収が低い。毎月、身をもって実感しているわけです。
但し、設計事務所にもランクがあって「三菱地所設計」のように、財閥系の大手組織設計事務所は年収も良い。逆に「個人設計事務所」のように、どこの馬の骨かわからないお1人様で経営している事務所は、年収が低いです。
上記に挙げたケースは、とても両極端ですから今回は排除します。設計事務所の細かい年収が知りたい人は、こちらの記事も参考になります。
では中規模設計事務所の一級建築士の年収はいくらか?答えは、
- 400~500万円(三十代男性、残業代含む)
です。設計事務所に関わらず一級建築士になれば、「技術手当」が付きます。これが月々に加算されて、年収を引き上げているのです。
また、一級建築士なら相応の技術力があるので、役職手当がついて年収を引き上げます。
ちなみに僕の年収は380万程度(無級建築士、残業代上限マックス)。僕が入所している事務所の場合、大学院卒でも基本給のスタートが18万でしたから。ゼネコンやメーカーさんの場合22万くらいですよね?
(余談ですが設計事務所という業種自体、破綻してるから来ない方がいいです。設計事務所OBからの真面目な忠告。余談ですが。)
ハウスメーカーなら設計事務所の年収の1.5倍
先輩が3人ほどハウスメーカーに転職しました。彼らが言うには「転職しただけで、事務所時代の1.5倍になった」そうです。
具体的に突っ込んで年収を聞くと、大手ハウスメーカー勤めなら大体こんな感じ。
- 600~700万円(一級建築士、三十代男性、残業代含む)
です。
注意してほしいのが、先輩が転職したハウスメーカーは最大手ということ。テレビCMでも有名な、あのメーカーです。つまりハウスメーカーの企業規模次第で、上記の年収は50~100万程度下がります。
設計事務所とハウスメーカーの、年収の開きを分析します。設計事務所とハウスメーカーとの企業規模を考えてください。断然、ハウスメーカーの方が企業体として大きい。あの日建設計ですら、ハウスメーカーの足元にも及びません。
1.5倍も年収が開くのは当然です。よって「企業規模が大きいほど年収は良い、手厚い」という法則は、建築業界にも漏れなく当てはまります。
下記の記事は、ハウスメーカーへ転職した先輩の詳細インタビュー記事です。あわせて参考にしてください。
頑張れば年収1000万円も可能なゼネコン
企業として体力のあるゼネコンは、会社としての規模も他業界に比べて遜色ないですし、大手なら年収1000万超えることも夢ではありません。
その代わり人間的な暮らしができないかも。僕の知り合いは大手ゼネコンに勤めていて、現場ごとに転勤があるみたいです。そのたびにマンスリーマンションを借りて単身赴任してます。
さて年収ですが、僕の上司に中堅ゼネコンから転職してきた人がいます。上司に年収の話をすると、「今より遥かに良かった」と教えてくれました。
具体的には、
- 500~600万円(一級建築士、三十代男性、残業代含む)
です。三十代で、これだけ貰えたらいいですね。
下記の記事は、大手5ゼネコンをランキング形式で紹介しています。ゼネコンに転職希望の方は、参考にしてください。
追記① プラントメーカーは1000万プレーヤー
追記です。建築とは離れますが、建設業界ではプラントメーカーが一番給料が良いです。四十代で年収1000万は軽く超えるそうな。
友人は、僕の1.5倍以上の年収(資格なし、三十代で600万円)で、自由に休みが取得できます。仕事も1年目から外注が中心みたいです。自分で手を動かすことが無いので楽だ、と言っていました。将来困りそうですが、羨ましい限りです。
追記② ボーナス、福利厚生が安定している公務員
公務員の給料はとても手堅い。まさにイメージ通りです。建築系技術職員の年収は、
- 400~500万円(三十代男性、残業ほぼ無し)
公務員の特権として、「残業が無いこと」が言えます。毎月の給料は低くなりますが、ボーナスがきちっと数か月分入るので年収に換算すれば普通くらい。但し、年金や福利厚生(退職金等)も手厚く、年収には表れないメリットが多数あります。
また残業が少ないことも、最近の学生さんにとっては大きなメリットじゃないですか?
設計事務所から公務員に転職した方の話を聞くと、『めっちゃ楽』や『やることなくで逆に辛い』という声が多かったですよ。
最もコスパの良い職業といえるでしょう。本当は間違ってるのですが・・・。公務員天国のギリシャみたいに破綻しちゃうよ・・・。
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は、自身の体験談を元に一級建築士の年収を紹介しました。1つ年収の法則を伝えるとするなら、
- 大きな企業は、やはり給料や福利厚生が良い
ということ。大事なことなので、もう一度言います。「大きな企業は、やはり給料や福利厚生が良い」です。肝に銘じてください。
公務員だって、よくよく考えれば「日本」という超大企業の一員なのですから。優遇されています。
逆に設計事務所は、企業規模としてはメーカーやゼネコンに随分と劣ります。その分給料は低い。福利厚生も不安定です。
ちなみに一級建築士の年収をネットでも調べました(「平均年収.jp」さん)。僕が紹介した年収と概ね合致していましたよ。併せて参考にしてくださいね。
年収は大事です。特に将来設計を真面目に考える30歳、ある程度お金は持っておきたいですよね?今回の記事が、将来の参考になれば幸いです。
また設計職を辞めて、別の仕事に転職したい方。下記の記事でまとめています。あわせて参考にしてくださいね。
「で、転職したら自分の年収はいくらになるのよ?」という疑問が浮かぶと思います。ちなみに僕が転職した場合の年収は、現年収の1.7倍で〇○万円!
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また、建築士の資格を持っているなら、転職のとき下記の本が参考になります。内容は、転職エージェントの利用方法、公務員への転職、CGパース、大学教授、耐震診断士、海外進出などの説明と多岐にわたります。
建築士の資格を活かして、かつ設計業務に留まらずお金を稼ぐ方法をガイドする本。必見ですよ。