ども、Tです。
あなたは、
- 「スーパーゼネコン(ゼネコン)の初任給は?」
- 「ゼネコンの設計部の初任給ランキングは」
と思っていませんか。
特に、これから就活が始まる学生さんは気になりますよね。
就職活動を始めると沢山の会社が目に留まります。中でも、企業規模や給与面で一際輝く「大手ゼネコン」。大林、大成、鹿島、清水、竹中工務店・・・。
組織はしっかりしているし、企業も立派。だけど一体、どんな特徴があるのか、知りたくないですか?
今回は、業界人が選んだ大手ゼネコンの初任給と特徴についてランキング形式で特集しました。
※大手ゼネコンの内定をもらうのはかなり大変です。僕は1人で就活して失敗しました。同じ失敗はしないでください。まずは就活のプロに自己分析、企業の選び方など相談しましょう。
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総合5位 清水建設
清水建設はテレビCMで、世間の認知度も高い会社。『あのCM聞いたことある!』という人は多い。
清水建設が奨めているダイバーシティ推進は、建設業界では革新的です。
ダイバーシティ推進方針とは、性別、障害、国籍、年齢等の様々な背景が異なる従業員が活き活きと活躍できる、こと。
初任給、1年目想定年収は、5社中1位(3社同率)。
学部卒の初任給は22.5万ですが、残業代や他手当がつきます。諸々込みで7万と考えます(残業代5万+家賃補助2万)。またボーナスは大手企業の場合、基本給の2.5倍が相場です。以上から年収を算定します。
(22.5+7.0)×12+22.5×2.5×2=466.5万
程度でしょうか。転職サイトをみると、25歳 550万!とも書いてあったので、割と良い線です。他企業と比べても、かなり高い年収ですね。
売上総利益は、5社中4位で175374(百万円)。
大手4位の利益です。但し、去年から6.2%の増益で、伸び率としては5社中トップ。今後に期待、というところ。
特許取得数は、5社中4位。
研究開発費用は未来への投資です。開発費用が大きい会社は取得する特許数も多くなるでしょう。こうした観点から、特許取得数のみ見ていきます。
ちなみに、建設業は全産業の中でも開発費用が低い業界です。建設業界はまだまだローテクのものづくりで、高度な技術力を必要としないからです。
ですから、売上に対する研究費の比率をみると、0.4%と、売上に対してたったの0.004だけ研究費用を投資しています。もし研究者に成りたいのなら、民間は肩身が狭そう・・・と思います。
清水建設の特許数による順位、特許取得数は、このようになっています。
- 全企業 208位
- 大手ゼネコン 4位
- 特許数 136件
うーん、もっと頑張ってもらいたい!
井上和幸の社長観
会社という組織は、船に例えられます。向かう方向は船長(社長)次第、荒波や悪天候を乗り切るためには船員(社員)を、いかに上手く使うか?団結できるか?ということが大切です。
また船員が皆同じ方向に進むためには、社長の理念が明確でないとダメです。
HPから抜粋しました。
時代とともにお客様のニーズが多様化するなかにあっても、「ものづくりへの真摯な姿勢と絶えざる革新志向により、お客様の期待を超える価値を提供し続ける」という想いは、これからも変わらないシミズの原点です。
併せて、安全・安心な社会基盤の整備、自然災害への対策や環境への配慮等、社会が建設業に求める役割をしっかりと果たしていくとともに、グローバルな視点に立って、新たな事業領域の拡大や未来構想「シミズ・ドリーム」の実現にも挑戦していきます。
一つひとつの仕事に情熱を注ぎ、子どもたち、さらにその先の子どもたちの時代に財産となるべき建造物を築いていく。それが私たちシミズの「子どもたちに誇れるしごと」です。
事業領域を拡大する、など大林組と似たようなことが書いてあります。が、未来構想のシミズ・ドリームが面白い。深海の未来都市構想、宇宙ホテル、月面基地、月太陽発電。どこまで本気か分かりませんが、楽しそうなことを考えています。
事業として本気かどうか?読み取れませんでしたが、社長の方針としてはシミズドリームの実現・・・と書いてあります。『だったら開発費用増やせよ』というツッコミを入れたいですね。
総合評価
5社中5位にした理由は1つ。シミズドリームの実現を、会社のビッグプロジェクトにしていますが、特許取得数が少ない。つまり開発費用が少ないかと。
シミズドリームの中には月面基地、深海都市など目を疑う未来構想がありますが、もう1つ上のステージ(実現)を目指すなら、まだ足りないのでは。
個人的には、ダイバーシティ推進に期待しています。人手不足の建設業界では必要な知恵だと思います。
総合4位 竹中工務店
竹中工務店は5社の中で唯一、大阪を拠点とした企業です。大企業レベルながら、株式を上場しない会社。悪くみれば同族経営ワンマンな会社と見られます。
が、確立した会社の方針を株主に左右されたくない!という職人気質な思いを感じます。
現在、CEOには竹中氏。他役員にも竹中の名がチラホラ。
初任給、1年目想定年収は、5社中4位(2社同率)。
鹿島建設と同立で5位の初任給です。学部卒22万、修士了24万です。想定年収は、
(22+7.0)×12+22×2.5×2=458万
です。
売上総利益は、5社中5位で122751(百万円)。
売上総利益は5社中5位で、他4社と比べて落ちます。売上高も低いのですが、これは『建築』という事業1本に絞っている結果なのか。
特許数・開発費は、5社中5位。
特許取得数も5社中5位。建築工事以外の業務も行っているのですが、他事業が芳しくないのか、元々力を入れていないのか。
竹中工務店の特許数による順位、特許取得数は、このようになっています。
- 全企業 280位
- 大手ゼネコン 5位
- 特許数 97件
竹中統一の社長観
HPから抜粋しました。
私たちは「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」という経営理念のもと、創立以来、お客様の期待に応える建築を提供してきました。
企業が社会において担うべき役割は、時代とともに変化しています。世界がいま直面する、気候変動や人口増加をはじめとする地球規模の幾多の課題についても、その解決に貢献することが企業に求められています。
私たちは時代の変化にいつも敏感でありたいと考えています。そのために絶えず人々との対話を重ね、技術の研鑽を続けることで、時代が求める最良のソリューションを提供していきます。
そして人々が安全に安心して暮らすためのまちづくりにグループの総力で貢献することによって、サステナブル社会を実現し、地球の未来につないでいきたいと思います。
書いてあることは面白くないですが、『作品』という言葉が出てきました。良い建築物には作品と呼ばれます。この言葉1つに、並々ならぬ建築への熱を感じますね。
大企業なのに株式を上場しない竹中魂でしょうか。株主に意見されず、我が道をいく会社です。
総合評価
株式を上場しない同族経営で、よく言えば作品の質を保ち続ける会社。悪く言えば、ワンマン。悪い方向へ向けば、一気に落ち込みます。僕から見ると、とても不安定な会社だなと。
過去、同族の言うがままにした社会は混沌だったので。会社の善し悪しも社長次第。社長のメッセージからは、未来への強さを感じられませんでした。
総合3位 大林組
電波塔としては世界一の高さを誇る東京スカイツリーの施工を担当しました。高層ビルの施工では世界レベルの技術力を持つゼネコンです。
最近、景気が良いのか3年連続で初任給のベースアップを実施しています。学部卒で22.5万、修士了で24.5(共に5000円のベースアップ!)と、明るい話題もあります。
初任給、1年目想定年収は、5社中1位(3社同率)。
初任給は学部卒22.5万、修士了24.5万です。他4社と同じ給料です。つまり、年収は、
466.5万
です。
売上総利益は、5社中1位で193052(百万円)。
売上は文句無しで、ゼネコンの中で一番。初任給のベースアップを行っているように、好景気であることが伺えます。
特許数・開発費は、5社中2位。
大林組の特許数による順位、特許取得数は、このようになっています。
- 全企業 176位
- 大手ゼネコン 2位
- 特許数 165件
大手ゼネコン5社中2位と、まずまずの研究開発を行っているのでしょう。
社長観 白石達
大林組の社長からのメッセージをHPから抜粋しました。
近年、社会はかつてないスピードと規模で大きく変化しています。こうした状況下で建物・施設に求められるニーズも急激に変化し、多様化しています。
お客様の事業に貢献することはもとより、環境への配慮や安全・安心の提供といった社会のニーズを先取りした提案を行い、高付加価値、高機能の建設サービスを提供することで、応えてまいります。
大林組は、2015年度から新たな3ヵ年計画「大林組グループ中期経営計画2015」をスタートさせました。建築、土木、開発の基幹分野の安定的収益の確保に加え、新たな領域での収益の創出を推進し、収益基盤の多様化をさらに進めてまいります。
どうぞご期待ください
前半の文章は一般の方々へのメッセージと読み取れます。ありきたりで抽象的な文章です。何も書いていないと同じだと思いました。
後半は今後の大林組の進む方向が示されていましたが、明らかに株主へ向けた言葉です。収益基盤の多様化と書かれているので、大林組は、建設業以外でも収益拡大を狙っているのかもしれません。
総合評価
大林組は東京スカイツリーの施工で5社の中でも大きな差別化ができたと思います。超高層ビルの施工では実績ができたわけですし、今後も海外物件の施工が期待されます。
3年連続でベースアップも実施しています。今後、益々経済的な基盤を強固にするでしょう。
総合2位 大成建設
最近、大成建設のテレビCMをよく見ます。『地図に残る仕事』というキャッチフレーズで、建設会社という負のイメージを払拭する作戦でしょうか。
とてもいい感じのCMです。元々、大成建設は『日本土木株式会社』という社名でした。その名の通り、土木系の会社だったのです。今でも、建築よりも土木が強いと言われています。
僕は、土木工学科出身でしたが、同級生の就職先で大手ゼネコンと言えば『大成建設』でしたね。他の大手ゼネコンは建築だから、と就職先リストに入れてなかったです。
初任給、1年目想定年収は、5社中1位(3社同率)。
初任給は学部卒22.5万、修士了24.5万です。2016年に改訂がありベースアップを実施したようです。おそらく大林組に追従する形で初任給を引き上げたのでしょう。
さらに、博士了の給料は27.5万でした。新卒採用欄に博士課程を明記する当たり、開発に力を入れている大成建設ならでは。想定年収は大林組と同じで、
466.5万
です。
売上総利益は、5社中2位で197586(百万円)。
売上高は5社で拮抗していますが、大手1位の利益です。但し、大手ゼネコンの中で唯一2015年は前年度に比べて1.7%減でした。
特許数・開発費は、5社中1位。
大手ゼネコンでは開発費に最も力を入れている会社が大成建設です。その証拠に、特許取得数は197件あります。新卒採用欄に博士課程も明記していて、力を入れているなぁと感じます。
将来的に新材料や新工法を次々と発表するでしょう。
大成建設の特許数による順位、特許取得数は、このようになっています。
- 全企業 150位
- 大手ゼネコン 1位
- 特許数 197件
村田誉之の社長観
HPから抜粋しました。
大成建設は、1873年の創業以来、長年にわたって培われてきた高度な技術力を用いてこれまで多くの時代を切り開くプロジェクトを手掛けてきました。
しかし、現在では単なる構造物の建設だけではなく、人と自然との共生や、地震をはじめとした自然災害への対策など、建設業に求められる役割も複雑化・多様化しています。
そうした中、当社は従来から「人がいきいきとする環境を創造する」というグループ理念のもと、安全で快適な生活環境の整備を通じて社会の持続的発展に貢献することを企業活動の大きな目標としています。
自然との調和を大切にしながら、より豊かな未来を築くこと。それは私たち、社会共通の願いです。大成建設は、次の世代へと受け継がれていく新しい価値の創造を目指して、これからも真摯な姿勢で事業活動に取り組んでいきたいと考えます。
人がいききとする環境を想像する、が会社理念のようです。しかし、この理念だけでは、他4社との違いがわかりません。もっと差別化した内容を全面に押し出すべきです。
大船団の船長としては、魅力がありませんね。例えば、開発費用は大手ゼネコントップだ!とか。現実そうなんですから、これは誇れることですよ。
また、『地図に残る仕事』のキャッチフレーズを大体的に発表してもいいかもしれません、一般向けの戦略として。
総合評価
大成建設を2位に押した理由は、研究開発に力を入れていること。特に、博士課程の新卒採用を行っている点は素晴らしい。これは他4社では行っていません。
開発への投資は、未来へのエンジンになります。もしかすると化けるかも、という期待で2位にしました。
総合1位 鹿島建設
鹿島建設の採用HPを見ると『100年をつくる』というキャッチフレーズが掲げてあります。今の建築はせいぜい50年ですから、さらに耐久性を高めていくぞ!という気持ちの表れです。
鹿島建設の建築はデザインに定評があります。『KAJIMA DESIGN』といって、これまでの作品が特集されています。
ゼネコンの意匠設計部は、やや大味なデザインになりがちですが、最近はそうでもありません。特に鹿島建設の設計部はアトリエに負けないデザイン力を持っています。
初任給、1年目想定年収は、5社中4位(2社同率)。
初任給は学部卒22万、修士了24万です。想定年収は、
458万
です。
売上総利益は、5社中1位で199586(百万円)。
売上高は5社で拮抗していますが、大手1位の利益です。2015年は前年度に比べて2.9%の増額です。
特許数・開発費は、5社中3位。
特許取得数は5社中3位。真ん中に位置するので、可もなく不可もなく。後述しますが、会社の理念として新世代制震装置をつくるなら、もっと開発費用を増額してもいいのでは?と思います。
鹿島建設の特許数による順位、特許取得数は、このようになっています。
- 全企業 232位
- 大手ゼネコン 3位
- 特許数 149件
押味至一の社長観
HPから抜粋しました。
今、未来をつくる仕事が着々と進んでいます。東日本大震災から5年、鹿島は被災地に寄り添いながら、 復興への懸命の努力を続けています。首都圏では、東京オリンピック・パラリンピックに向けた大規模なプロジェクトが次々に始動しました。
当社は地震エネルギーで揺れを止める新世代制震装置を開発し、世界最高レベルの安全・安心な都市づくりに貢献してまいります。そこには「今よりもっと良い社会をつくる」という想いがあるのです。
・・・<中略>
脈々と受け継がれる積極果敢な「進取の精神」のもと、超高層や原子力など先駆的な技術開発による新しい取組みと技術力に基づくものづくりを行ってきました。
・・・<後略>
5社の中で、最も社長の理念が伝わってきました。良い文章です。
東日本大震災が起きてから復興に携わってきたこと、今後は新世代制震装置を開発すること等、今後の方向性が具体的です。この会社なら将来も大丈夫だなぁと思えます。
総合評価
会社を船に例えるなら、社長は船長です。船の行き先、今後の進み方を指示する必要があります。5社の中で、鹿島建設の社長が最も差別化した理念を伝えていました。
新世代制震装置の開発など、具体的な武器もあるようですし。作品を『KAJIMA DESIGN』のように、ブランド化する点も妙ですね。
まとめ
いかがでしたか?5社を改めて整理すると似通った部分、差別化している部分、様々でした。各社お金のかけ方が違っていたり、採用基準すら異なっています。
意外だったのは、大成建設が研究開発に力を入れている点。新卒採用に博士課程も入れているので、ドクターの方チャンスですよ!
もちろん、この情報を鵜呑みにせず、最後はご自分の意思で会社の『良い・悪い点』を整理し、自分にあった会社を選んで欲しいですね。
ここまで読んでくれてありがとうございました。
皆さんの就活が上手くいくことを祈っています。
読んでくれたあなただけにお得な情報
大手ゼネコンの就活は思っている以上に大変です。建築業界の中でも最難関の就職先でしょう。
もしかして、1人で情報収集、企業研究、面接対策をやろうと思ってますか?
そのままだと失敗しますよ。実際、僕は失敗しましたからね・・・。
就活をするなら就活エージェントを使うのが必須。無料でサービスを利用できる上に、ESの書き方、業界研究、面接対策等々できますからね。
ここだけの話・・・就活エージェントのキャリアチケットは、優良企業とつながりがあるそうですよ。