4群のⅠ-4-3は4年とも金属材料|結晶構造と強度の関係
この記事の要点
4群は名前に材料が入っていますが、材料そのものが出るのはⅠ-4-3の1問だけでした。
前後のⅠ-4-1とⅠ-4-2は化学、Ⅰ-4-5以降はバイオです。
4群は「材料・化学・バイオに関するもの」で、6問から3問を選んで解答します。
鋼材やコンクリートを扱う人が取りにいけるのは、この群のうち1問です。
4年分の前半3問を並べる
| 年度 | Ⅰ-4-1 | Ⅰ-4-2 | Ⅰ-4-3 |
|---|---|---|---|
| 令和7年度 | 酸化数 ② | 酸の強さ ③ | 金属材料 ③ |
| 令和6年度 | ハロゲン ① | 多原子イオン ③ | 材料の結晶構造 ③ |
| 令和5年度 | 原子と同位体 ③ | コロイド ⑤ | 金属材料(純鉄) ③ |
| 令和4年度 | 酸と塩基 ② | 酸化数 ④ | 金属材料(めっき) ① |
Ⅰ-4-1とⅠ-4-2は4年とも化学、Ⅰ-4-3は4年とも材料です。この境目は動いていません。
令和7年度のⅠ-4-4はモル分率の換算、Ⅰ-4-5は必須アミノ酸、Ⅰ-4-6は細胞の化学組成でした。
結晶構造は3種類と原子数で覚える
| 構造 | 例 | 単位胞の原子数 |
|---|---|---|
| 体心立方 | Fe(常温のα鉄)・Na | 2 |
| 面心立方 | Al・Cu | 4 |
| 六方最密充填 | Ti・Zn | 2 |
常温の純鉄は体心立方でα鉄と呼ばれ、強磁性を示します。加熱するとγ鉄へ相変態し、より密に詰まった面心立方になるので体積は収縮します。
膨張すると書いてある選択肢は、詰まり方の向きが逆です。
結晶粒は細かいほど強い
結晶粒を細かくすると粒界が増え、変形が進みにくくなります。粗大化させることで強度を向上させる、という記述は向きが逆です。
加工硬化した金属材料を加熱して再結晶させると、延性が回復します。硫黄を多く含む鋼材は被削性に優れる一方で、じん性の評価にはシャルピー衝撃試験を使います。
計算で出る年もある
令和4年度のⅠ-4-3は、鋼板にニッケルめっきを施すときの必要質量と質量百分率を出す設問でした。体積に密度を掛けるだけなので、力学の計算に慣れていれば手が止まりません。
ニッケルはレアメタルに分類される点も、この設問で問われています。
4群でこの1問を取る意味
基礎科目は各群から3問ずつ、計15問を解答します。4群も3問マークする必要があるので、群ごと飛ばすことはできません。
Ⅰ-4-3を確実に取れば、化学とバイオで2問外しても4群で1問は確保できます。
基礎科目の合格ラインは15問中8問なので、この1問が効いてきます。
理解度チェック
常温の純鉄はどの結晶構造か。
体心立方です。α鉄と呼ばれ、単位胞に含まれる原子は2個です。
γ鉄へ相変態すると体積はどうなるか。
収縮します。面心立方のほうが密に詰まっているためです。
結晶粒を粗大化させると強度はどうなるか。
下がります。粗大化で強度が上がるという記述は誤りです。
まとめ
4群で材料が出るのはⅠ-4-3だけです。結晶構造の3種類と、細かいほど強いという向きで大半が切れます。
化学とバイオは深追いせず、この1問を確実にする形です。
出典
公益社団法人 日本技術士会「令和7年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」13ページ・14ページ Ⅰ-4-1〜Ⅰ-4-6
公益社団法人 日本技術士会「令和6年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」15ページ Ⅰ-4-1〜Ⅰ-4-3
公益社団法人 日本技術士会「令和5年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」13ページ Ⅰ-4-1〜Ⅰ-4-3
公益社団法人 日本技術士会「令和4年度 技術士第一次試験問題〔基礎科目〕」14ページ Ⅰ-4-1〜Ⅰ-4-3
公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 試験問題の正答」(令和4年度〜令和7年度)
※ 問題文と選択肢は掲載していません。実際の設問は上記の公式PDFで確認できます。
※ 表は4年分のⅠ-4-1からⅠ-4-3を1問ずつ読み、正答と照合しました。令和3年度以前は確認していません。
※ この記事の確認日:2026年7月