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構造設計にaiが普及したらどうなる?大量離職?仕事一筋の人がヤバい理由は?

構造設計

ども、Tです。

構造設計業界にaiが普及したら?

と思いませんか。竹中工務店さんが公式に、下記を発表しました。

2020年までに深層学習等を通して、より速く、より優れた結果に導くシステムに改善していき、構造設計業務での自動設計やシミュレーションの自動化等の活用を開始し、構造設計の中のルーチン的な作業の70%削減を目指します。

今回は、構造設計にaiが普及したらどうなる?大量離職?仕事一筋の人がヤバい理由について、考えたことをお話しします。

こちらも参考にどうぞ⇒ 将来、構造設計の仕事は無くなる?人の手より機械の手。

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そもそも構造設計にaiが普及する?

そもそもaiは何が得意でしょうか。aiは、

  • 単純作業(入力、計算など)
  • 目的地(ゴール)が決まっている作業

が得意のようです。

これを見る限り、益々、構造設計とaiの相性は良い様に思います。

構造設計はルーティーンの部分が、かなりあります。構造計画を行った後は、7~8割がルーティーンのようなものです。

もしaiが構造計算の業務を省力化してくれるなら、感覚として業務量が半分くらいになるかもしれません。

付加価値を生み出せない構造屋は、もういらない

人間の歴史を読み解くと、機械に仕事を奪われることは何度もありました。例えば

  • 馬車 ⇒ 自動車・・・馬車の業者が無くなった
  • 機織り技術者 ⇒ 機織機・・・機織機を操作する人が失業
  • レジ打ちの人 ⇒ セルフレジ・・・レジ打ちの人が失業

がありますね。レジ打ちの人が失業していく様は、現在進行形でみていますよね。こういった失業を、技術的失業といいます。共通点は「誰でも可能な仕事」です。

 

「機織機を操作する人」や「レジ打ちの人」を思い出してください。何だか、「一貫計算プログラムを操作する構造屋」と似ていませんか

 

あなたがは、「あなただけの付加価値」は生み出していますか?

(なになに?経済性を考えて、持つ部材を計算しているって?)

それはAIが最も得意とする仕事ですよ。

付加価値を生み出せないならAIにとって代わっちゃいますね。技術革新とは、そういうことです。

でもチャンスはあります。芸術性とかアイディアとか、人間にしかできない付加価値を構造設計に見出すことは可能です。

当ブログで、構造設計はAIに奪われることを予言していた

予言というと大げさですが、こんな記事を2年前に書いていたんですねぇ。将来、構造設計の仕事は無くなる?人の手より機械の手。

タイトルが、まんま竹中工務店の未来を暗示しているようです。少し記事を抜粋します。

意匠設計者がBIMで入力⇒標準的な配筋も入力⇒そのまま構造計算まで、という流れが起きる。ありきたりな形、簡単な形で飯を食べている凡人構造設計者はクビ。

要は、益々構造設計者の立ち位置が難しくなりそうです。今の構造設計者人口の1/3くらいになっても、仕事が回るようになるのかも

 

今の構造設計者人口の1/3くらいになっても、仕事が回るようになるのかも。」

僕も構造設計の実務をしていて、2/3くらいはAIでもできるなぁと感じています。

大企業は構造設計者=AIが普通になる

前述したようにAIは正解のある仕事が得意です。目的地が決まっていれば、そこまで最短距離で業務を進めます。

構造設計も正解が無い仕事」ではあるのですが、常にそうではなく、構造計画が終わった後は概ね、正解が決まっています

また、マンションのように決まりきった形(1つの平面を積み上げただけ)は、正解がすぐにきまります

 

ですから、構造屋さんの職能は

  • 構造計画
  • AIができない雑務
  • 後述する監修業務

だけになるかも。

 

まずは、資本が多い大手ゼネコンからAIを導入して、次第にAIが構造設計者にとって代わります。

付加価値を生み出せない構造屋さんは転職するか、付加価値を生み出す能力を養うしか無いですね・・・。

 

ちなみに設備は構造の次にAI化が進んでもおかしくない。

もし竹中工務店で今回の構造屋7割削減が成功したら、それがモデルケースになる。大企業に一気に広まるでしょう。

準大手、中小企業の構造設計者の半数はクビになる

例えば竹中工務店の構造設計部の半数がクビになったとして、どうすると思いますか?

転職ですよね。

もし大企業が同じようにAIを導入していたら、準大手や中小企業に押し寄せるでしょう。

そうなると、今まで勤めていた社員は必要ない。トコロテンみたいに、どんどん押し出されて、能力の無い人は淘汰されていく。

 

そうなれば優しい日本企業だから、配置換えかもしれません。「お前必要ないから、構造設計辞めて現場監理いけ!」とかね。

あり得るな。

将来は、構造設計監修業務が増える

実務をAIが担ってくれるのなら、残りは何が残ると思いますか。図面はBIMでサクッと描ける、2割は基本設計、1割は監修業務だと思うんですよ。

監修業務というのは、「著作物の著述や編集などを監督・指揮すること」です。実施設計をAIがするのなら、それを監理する人が必要ですよね。正しい方向に向かわせる監督のような存在。

そんな仕事が増えるかと。付加価値を磨きましょう。

僕は、AIが構造設計をする未来に賛成です

賛否両論あると思いますが、僕はAIが構造設計職を担う未来に賛成です。だって、AIに単純ミスは無いから。

構造設計をしていると、大抵は単純なミスが発生するんですよ。そのミスを修正したり変更したり、後戻りを繰り返して人工(にんく)がかさむ。

 

でもAIはその単純なミスが無い。大きなメリットですよね。その代り大きなミスは起きる可能性がある。ブラックボックスになるわけですから。でもそれは、前述した監修業務で、しっかり見てやれば良い。

結構うまく成り立つと思うんです。

大手勝ち組、中堅以下負け組?

今に始まったことじゃ無いですが、今後、この差はもっと広がるかも。AIを制した企業が世界を制する、と言われています。

あとはマネーゲームです。資本のある大手企業からAIを導入し、今まで以上の仕事量をこなす。人がやるより早いからです。

そして中堅以下の仕事がなくなります。もちろん「会社規模」だけでは語れません(ベンチャー企業、アトリエ系もあるので)。

 

ただ僕も中小企業に居るのでよくわかりますが、一般的な中小企業は余裕がありません。

毎月精一杯なので、長いスパンを見据えた投資ができません。投資がきないと、今のやり方を続けるしか無いですね。

だから終わりです。大きいものに巻かれてください⇒ 中堅組織設計事務所の3つの特徴、大手に転職できる可能性

あるいはベンチャー企業(とか、アトリエ系)に転職して、ゲリラ戦を仕掛けるのもありか・・・。

まとめ

  • 将来、構造設計者がAIにとって代わる
  • 大手ゼネコンからAI参入
  • 付加価値のない構造屋は退職または配置換え

将来を見据えて投資ができる会社を選びましょう。大手企業を狙いましょう。気概のある方はベンチャーでも良いですし。

こちらも参考にどうぞ。

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