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【書評】読んで旅する世界の名建築、を読んで。

構造設計

今日読んだ本はコレ。「読んで旅する世界の名建築」です(一番下の画像は同著者の忘却の建築、ですが。画像がなかったのです)。

著者は五十嵐太郎さん。学生時代に何度か名前を聞いたことがあって、著者名を見た時に既視感がありました。てっきり建築家だと思っていたのですが・・・。

研究者の方だったのですね。専門は建築史や都市計画など。本も沢山出しておられるようで、その道では有名なようです。

ところで僕は「建築家」という存在が嫌いです。だから五十嵐さんの本を読む前は、「どうせイケ好かない奴が書いた本でしょ」と思っていました(読んですぐに建築家じゃないと気づいたのですが・・・)。

建築家の何が嫌いって、なんかインテリぶってるし格好つけているし・・・(もちろん本当にインテリで格好いいかもしれませんけど)。建築家の写真をみると、必ず斜め上を向いているし。顎に手をやって考えるポーズしたり・・・とにかくイケ好かない。

 

そんな色眼鏡で、まず1ページ目を開く。いきなり、日本の空港建築は本当にツマラナイ物しかない、と辛辣なお言葉。やっぱりイケ好かない奴か?

気を取り直してはアジアの名建築について。おぉ、何か読みやすいし構造を専門にする僕でも読めるな、と。五十嵐さん絶対オタクだろうな、という場面が随所に溢れていて建築学生に共感を呼びそう。

毎日毎日、建築だけの生活みたい。僕ならせっかく海外に行くのなら、現地の美味しいものを、とか思うのですが。

 

さらに読み進めると、名建築を紹介するハズの本が、映画やらアニメやら国の文化に言及してスーッと読める。アジアで犬に噛まれて狂犬病にびくびくしていた話とか、気が付けばこの本面白いな!と読んでいる自分がいました。

章立ては、アジア⇒ヨーロッパ⇒アメリカ⇒日本。まさに旅するように名建築を知ることになる。

 

ところで、五十嵐太郎さんのご両親はお二人とも芸術関係の研究者だそうで、まさにサラブレッドですね。しかも生まれはフランスのパリ、出身校は東京大学大学院!

今は建築評論家、東北大の教授をやっていて、嫉妬するくらい優秀。建築はもちろん、幅広いジャンルに博識な方です。軽い気持ちで建築の本読みたいなぁと思っている人に、特におすすめ。

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