建築業界の分析

最終更新日: 2019.10.7

構造設計者が独立したら、何棟設計すれば食えるのか?

ども、tyazukeです。

構造設計は貴重だから、独立したらすぐに食えるよ

と言われたことがあります。

そんなことを言われても、羽振りの良い構造屋さんを僕は見たことがありません。

むしろ、知り合いの構造屋さんは「貧乏暇なし」という感じで(該当者の方すみませんm(__)m)。

そこで今回は、構造設計者が独立したら、何棟設計すれば食えるのか考えてみました。下記の記事も参考にしてくださいねー。

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構造設計者の報酬は、床面積や設計の難易度で決められることが多い

まず構造屋さんの設計料について。

これは、建築家や建築士(意匠屋)の工事費に対する10%という考え方では無いです。

 

ほとんどの事務所が床面積と、設計の難易度(計算ルート)、構造種別(SかRCか)などで決めています。

例えば、ある構造設計事務所では、こんな料金体系です(鉄骨の料金で、カッコの中はRCの料金)。

  • 200㎡未満 18.0万円(RCなら25.0万円)
  • 200㎡ 22.4万円(RCなら29.1万円)
  • 250㎡ 24.2万円(RCなら31.5万円)

やっす!

200㎡の仕事で22万。経費を差っ引くとおよそ半分の11万円。一日3万円を稼ぐとして、この仕事にかけて良い日数は、3.5日。

 

どうですか?

3.5日で200㎡の計算書と図面をまとめられそうですか?まぁできるかもだけど、休んでいる暇ない感じでしょうか。計算はすぐだけど、図面描くのは意匠との兼ね合いもありますし。

確認申請とか雑務とか諸々考えると3.5日オーバーしそう。

構造屋は薄利多売の世界

例えば、RC造の戸建て住宅でも、最近は150㎡で2000万円のローコスト住宅があります。これを構造屋が設計するなら、設計料は25万円です。

驚く程、薄利多売の世界だと思いませんか?

 

売上が25万円だとしても、やはり経費が発生しますので経費率は50%として、実際の所得は

  • 25*0.5=12.5万円

です。

厳しですねぇ。とにかく構造屋は悲しいことに数、数、数なんだと思いました。

独立した構造屋が食っていくために必要な物件数

200平米未満の小さな物件を基準に考えましょう。料金体系は先に述べたとおりです。

 

鉄骨造のみ設計するとして、1物件につき18万円。一般的なサラリーマンの30~40代は500万円はもらっています。

つまり、食うために必要な物件数は

  • 500/(18*0.5)=55.6件⇒56件ほど

 

オワタ・・・/(^o^)\

コレみて、独立したら死んじゃうよって思ったら、独立は諦めてください。

 

さて、56件ということは、1物件にかけられる期間は、

  • 12/56=0.21ヶ月⇒4.5日(土日は休みと考える)

です。4.5日で計算やって図面を纏める必要があります。

 

200㎡未満の小ちゃな物件なら、できなくもないですが・・・きっついですねぇ。現実問題、いくら小さな物件でも年間56件も普通は設計できませんし。

 

しかも、年間に56件も設計して「やっと食っていけるレベル・・・」。苦行ですよ。薄利多売すぎてヤバい。

 

とはいえ、現実に独立して何十年も構造屋する人もいますね。200㎡とか小さい仕事はやらず、なるべく大きな仕事をとるように営業しているかと。

あとは「組織化して沢山物件こなす」という手段もありますね。いずれにしろ数が大事でしょうか。

 

もちろんアトリエ系構造設計事務所みたいに、優れた意匠屋さんと建築物を設計する場合もあります。

そういった事務所は付加価値が大きいので単価が全然違うかな。

独立した構造屋が食っていくための戦略

以上を整理すると、独立した構造屋が食っていくには

  1. 1人で数をこなす
  2. 組織化して数こなす(部下にやらせる)
  3. 付加価値のある設計をする

の3パターンくらいかと。平凡な構造屋さんは1で終了。営業や経営が上手い人は1⇒2へレベルアップ。

アトリエ系の人は3でいける(でも独立までがシンドイ)。

まとめ

  • 構造設計の設計料は、メチャ安い
  • 構造設計は薄利多売の世界
  • 200㎡未満の物件なら、年間500万円の所得を得るために56物件の設計が必要

当然、小さい物件だけでなく、大きい物件もやりながら稼いでいくのだと思います。

それでもリーマン構造屋さんより仕事をこなすわけで、大変そうですねぇ。ちなみに構造屋さんも今後はブランディングが重要。ということで下記の記事も併せて参考にしてください。

 

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