構造設計に関すること

片持ち梁が付かない出隅片持ちスラブについて

片持ち部材は怖いですよね。固定端の1つで成立している部材ですから。その固定端が甘くなれば撓みが大きくなりますし、崩壊する可能性もあります。僕が一番嫌いなのは、『出隅の片持ちスラブ』です。

特に、出隅の片持ちスラブに片持ち梁が取りつかない場合、どこが固定端かわかりません。と、いうことで今回は出隅の片持ちスラブについて説明したいと思います。

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出隅の片持ちスラブとは?

画像で見た方が分かりやすいかも。こんな状態をいいます。似ている言葉に入隅があります。見た目も似ていますが違いを理解しておきましょうね。

 

なぜ厄介なのか?

マンションや学校はバルコニーや庇を多くつくります。普通の片持ちスラブなら固定端をしっかりつくれば問題ありません。例えば、大梁が固定端になります。しかし、出隅部は固定端となる部分が曖昧です。大梁にとりつくわけでもないし、柱とは点で接しているように見えます。

これを解消するためには、普通の片持ちスラブの配筋では不十分です。

 

梁型に力を負担させ、そこに補強筋を入れる。

一般的に、このように考えます。出隅スラブは一見すると力を伝達できる固定端がありません。しかし、近くに柱があります。出隅スラブの柱に近接するスラブを梁型と見立てます。幅は柱幅、梁せいはスラブ厚の梁型です。

あとは、片持ち梁の検討と同様に応力を算定し、梁型に必要な配筋を決めます。これを補強筋として通常の片持ちスラブの配筋に加えればOKです。

 

昔は柱へ斜め方向の補強筋を入れていた。

昔の規準図をみると、上記の考え方では無いことも。例えば、柱に直接配筋をアンカーさせることで出隅スラブを構造的に成立させています。そのため、補強筋は斜め方向に柱へアンカーさせています。

 

可能なら片持ち梁をつけよう。

片持ち梁をつける。これが一番簡単。下から見えると嫌だという意匠の意見もあると思います。が、可能なら片持ち梁をつけたいですね。

特に2mを超える出隅スラブだと配筋が多くなるし、スラブのたわみも大きくなって危険です。1か所でも片持ち梁を取り付ければ支点が増えて安心ですね。

 

RC規準にも出隅のことは少し書いてあるので、確認してみて。

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