ども、Tです。
意匠屋さんで、図面を描くときにRC壁をどう配置すれば良いか悩んだことはありませんか?
あるいは設備屋さんで、RC躯体に開口やスリーブを開けたいことがありますよね。でも、空けて良いか判断できない、という状況。
構造屋さんに聞けばよいのですが、構造設計が専門外の建築屋さんも、最低限知るべき構造の知識を知っておくと便利です。
今回は、建築屋さんが最低限知っておくべき構造計画3つについて、まとめてみました。といっても、構造的な説明はあまりせず、意匠的にどんなメリットがあるのか説明したいと思います。
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設計の自由度が高いラーメン構造
ラーメン構造は、意匠的に最も設計の自由度が高い構造計画です。柱と梁をガッチリ溶接することで一体化します。
スパンも比較的長くできるので、空間を広々と使えます。鉄骨造であれば、開口の位置は制限なく適当に決めることが可能。
設計途中で開口の位置や大きさが変わっても、柱や大梁に影響はありません。
RC造の場合、少し注意が必要です。現在の設計手法では、RC造はラーメン構造でも壁の開口位置が計算に大きく関係します。
但し、スリットを切る場合なら、やや制限は緩和されます。とはいっても、一貫計算がやり直しになるため、開口位置・開口の大きさ変更はできるだけ避けたいものです。
開口位置に調整が必要なブレース構造
ブレース構造は、柱と柱の間に斜め材を入れて耐震性を確保する構造形式です。
この斜め材が大きなポイントで、適当に入れてもダメ。X、Y方向共にバランスよく入れる必要があります。
例えば西面にブレースを2カ所入れられるのに、東面にブレースが入らないでは構造的に成り立ちません。
構造屋さんから必ず「東面に1カ所でもブレースがいれたい」と要望が出てくるでしょう。
またブレースを入れると開口に制限がでます。窓の位置を少し移動させて、ブレースを見えなくするなど、配慮が必要です。
ブレース構造は、構造と意匠の調整が多くなる構造計画。
割と開口を融通が利く、耐震壁付きラーメン構造
壁式構造とは違います。聞きなじみが無いかもしれませんが、ごく一般的で、RCラーメン架構に耐震壁を設けた形式です。
ポイントはブレース構造と同じで、バランス良く耐震壁を設けること。コレ本当に意匠の人は忘れがちです。
たまに「壁を沢山入れればいいんだろ?」的なスタンスで来る意匠の方がいますが。そんな単純じゃないんですよねぇ。
東西南北の面、全てに均等に耐震壁を入れることが理想。
もちろん、それは無理だと思いますが、ある程度壁が揃っていれば(壁が0でなければ)融通の利く構造形式です。
規定以下の開口の大きさなら、開口を開けたって耐震壁と見なすことができる。スリーブも、耐震壁の鉄筋ピッチより小さければ問題ない。
ブレース構造より、意匠的には簡単な構造形式だと思いますねぇ。
まとめ
- ラーメン構造は自由度が高い。鉄骨造なら、開口位置や大きさは適当で構わない
- ブレースや耐震壁はバランスよく入れること