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敷地境界近くの直接基礎はDfに注意しよう。

構造設計

最近、自宅マンションの近くに住宅が出来ました。ベランダから工事の様子が見えるのですが、3方が住宅に囲まれていて、とても工事がやりにくそうです。公共物件メインで設計している身からすると、敷地は広々としていることが前提なので、少し窮屈に見えます。でも住宅専門に設計されている方なら、当たり前なんですよね。

さて、敷地境界近くに基礎があるとき、支持力の計算方法に注意する必要があります。それは、Dfを過剰に考慮していないか?と言う点。DfとはGLから基礎底までの距離です。ご存じのように、直接基礎の支持力計算は3つの項から決まります。ざっくり説明すると、1つは粘性土に関する支持力の項、2つ目は砂質土に関する支持力の項、3つ目が基礎深さ(Df)に関する支持力の項です。

地盤は大別すると、粘性土と砂質土に分けられます。ですから、どちらかに該当した時点で、先ほどの3つの項は2つの項になるわけです。粘土地盤を支持層とするなら、内部摩擦角=0です。

で、Dfの項は基礎深さが深ければ深いほど支持力が大きくなります。要するに、基礎より上の土が、基礎を押さつけることによって支持力が上昇するのです。

しかし、境界近くの基礎は、本当にDfを考慮して良いのでしょうか?

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隣地で掘削する恐れはないだろうか?

境界近くに基礎を設ける場合、Dfの項は安全側に0とする場合もあります。理由は、相手側の敷地で、境界近くを掘削する恐れがあるからです。もし掘削して基礎が丸裸になったとき、基礎は片側しか土に埋まっていません。その状態で本当に土の押さえ効果が期待できるのでしょうか。

また、隣地が道路で、建設地のGLレベルが高く、道路のGLが低い場合、Dfは道路側のGLから基礎底までの距離で計算する必要はないでしょうか。片側が低く、片側が高い場合、安全側に判断すれば、GLが低いものとしてDfを算定する方が無難でしょう。

境界近くの基礎は、中々神経を使います。前述したDfの件もあれば、偏心基礎にしないと納まらないケースが多いからです。

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