構造設計に関すること

土間コンクリートとスラブの違いと、配筋や床厚について

1年目のとき、土間コンクリートとスラブの違いが分かりませんでした。

『大学院出て、こんなことも知らんのか!』と怒られたものです。建築用語って難しい。

土間コンクリートは、一見人の重さや家具などを支える床に見えます。しかし、「土間コンクリートはスラブじゃないから計算しなくても良い」と言われて納得できませんでした。

 

土間コンクリートだって安全なように計算が必要じゃないの?『土間コンクリートとスラブって、何がどう違うの?』と思うわけです。

今回は、土間コンクリートと床スラブの構造的な違いや配筋について説明しましょう。

スポンサーリンク

 

土間コンクリートは地盤に支えられたRC床

土間コンクリートとスラブの違いですが、実は見た目には違いはわかりません。設計図を見れば、表現方法が違うので判明しますが、出来上がった物はほぼ同じ。

ですから、建築的な土間コンクリートとスラブの原理の違いを説明します。

 

簡単に言えば、土間コンクリートは地面に支えられたRC床のことです。地面の上に置いてあるRC床と言い換えても良いでしょう。

「なんだ当たり前じゃないか」と思うかもしれませんが、一見地面の上にあるRC床でも、「地面の支え」が無くても人の重さや家具を支える床があります。それがスラブです。

 

さて、土間コンクリートの特徴を専門的に言うと、固定荷重や積載荷重を地盤へ直接伝える床です。

地盤に直接荷重が伝わるなら、その部材に応力は作用しません。ですから、土間コンクリートは構造計算をしないのです。そのため配筋も少なくて済みます。

例えば、両端ピン支持の梁があります。この梁に集中荷重を作用させます。但し作用荷重は支点とします。このとき、梁には応力が作用しません。集中荷重は支点に直接荷重が流れるからです。

 

このように、土間コンクリートの支点は『地盤』です。支点に直接荷重をかけても応力が発生しないように、土間コンクリートに応力は発生しません。地盤へ直接荷重が流れるからです。

よって、沈下を起こしやすい地盤では土間コンクリートは不向きです。地盤が沈下すると、土間コンクリートも一緒に沈下します。あるいはひび割れるなど、劣化の原因となります。

 

スラブは地盤の上にあっても浮いている、と考える

1階のスラブも普通は、地盤の上にあります。しかしスラブは地面の支えを期待しません。「え、なんで?」と思いますよね。これは土間コンクリートのデメリットに関係しています。土間は地面の支えにより成立しています。地面が沈下すれば土間も沈下するわけです。

強度の弱い地盤だと、そういった現象が良く起きます。それって好ましくないですよね。だから、あらかじめ地面がなくても、床沈下したり荷重に耐えられるよう設計する。

これがスラブなんです。

 

それは2階、3階と同じような状態です。つまり、梁が支点となって床に作用した荷重を伝達します。

そのため、スラブは発生する応力に対して鉄筋の計算を行います。一般階にある床スラブは当然ですが、1階のスラブも同様です。注意したいのは、土間コンクリートとスラブの区別です。

 

図面上の表記を分けないと、土間とスラブの区別がつきません。定着長さや方法も違ってくるハズですから、注意しましょう。

ざっと説明したのですが・・・1年目のころは、土間と床の区別もつきませんでした。1階にある床なんてややこしいですね。

 

土間コンクリートとスラブの配筋の違い

前述したように土間コンクリートとスラブでは、構造的な意味が全く違います。よって、当然配筋も異なります。まず、土間コンクリートの配筋や床厚は一般的には下記の通りです。

  • t=120または150 D10@200シングルクロス

要は応力が作用しないので、配筋自体は割れ防止筋程度に、D10@200を入れておけばOK。床厚は120でも大丈夫、少し厚くしたほうが安心というなら150です。

スラブはそういうわけにはいきません。荷重やスラブの大きさに応じて配筋を決定します。

 

まとめ

  • 土間コンクリートは、地面を支点と考えるから応力が発生しない。
  • 土間コンクリートは、強度が低い地盤の上に造ると沈下する。必要であれば地盤改良を行う。
  • スラブは、地面が無くても成立するRC床のこと。地面が沈下しても、床は下がらない。
  • スラブは、強度が低い地盤の場合、効果的。

以上、土間コンクリートとスラブの違いについて説明しました。鉄筋コンクリート造について勉強するなら、下記の本が大変参考になります。規準書なので、まさに構造計算の実務を知る王道の本。気になる方は下記の公式リンクからどうぞ。

スポンサーリンク

ピックアップ記事

  1. 本当は教えたくない、鉄骨構造をマスターしたいなら手元に置きたい参考書3選。 
  2. 日建学院の合格実績88.2%は色々誤魔化してるから気を付けような
  3. 露出柱脚のキレイな納め方のコツ。
  4. 社員旅行に参加しないための、もっともらしい理由
  5. 【書評】耐震構造の基礎は正真正銘の名著だった。

関連記事

  1. 構造設計に関すること

    ブラック部長、計算書の構成は事務所で統一しませんか・・・?

    他の事務所がどうしているかわかりませんが、僕のいる事務所では、部長が計…

  2. 構造設計に関すること

    【定期報告】ブレース構造からラーメン構造へ変更。【構造設計辞めたい】

    これまで構造設計辞めたい辞めたい言ってきましたが、定期報告しようと思い…

  3. 労働のこと

    10年後に無くなる建築の仕事を考えてみた

    ども、tyazukeです。設計職はクリエイティブな仕事だと、僕…

  4. 労働のこと

    建築設計を辞めたい!と思ったときチェックする3つの項目

    ども、tyazukeです。僕自身、建築設計を辞めようと思うこと…

  5. 構造設計に関すること

    手書き計算書はフリクションボールで作成しよう

    フリクションボール(こすって消えるボールペン)が発売されてから手書き計…

  6. 構造設計に関すること

    中堅設計事務所にいる老害とITリテラシーの話

    建設会社にいる老害の多くは、ITリテラシーが信じられないほど低いのが特…

お問い合わせ

最近の記事

Tazukeのおすすめ書籍

  1. 労働のこと

    建築設計を辞めたい!と思ったときチェックする3つの項目
  2. 建築のこと

    基礎から学ぶ、隣の音が聞こえないマンションの特徴と遮音等級について
  3. 労働のこと

    過去の仕事に責任ばかり付き纏う、建築の設計は呪いじゃ、祟りじゃ。
  4. 二級建築士の試験勉強

    【二級建築士】鉛直荷重に関する問題の解き方
  5. 一級建築の試験勉強

    本当に知りたかった!一級建築士と二級建築士は何が違う?
PAGE TOP