労働のこと

あなたがどんなに設計を頑張っても給料が上がらない理由を教えるよ。

僕はこれまで、何人もの先輩が退職や転職する後ろ背中をみてきました。先輩方の話を聞くと、ほとんどの方が、『給料が上がらない、給料が少ない』と言っていました。詳しくは、この記事をご覧ください↓

所員はミタ!転職した方が良い設計事務所の特徴3つ

業界にいる人ならご存知でしょうが、設計事務所は一般企業に比べて給料が少ないことが特徴です。と、いうのも『設計事務所』という何か素晴らしい名前に騙されるのですが、要するに、ただの中小企業がほとんどです。もちろん業界大手の組織設計事務所さんは、1000人以上社員がいる『大企業』ですから、お給料も高いですよ(日建設計の初任給は大手ゼネコンレベル)。

さて、一昨年辞めた意匠設計部の先輩は、社内でも一、二を争うほど、仕事が出来る人でした。まだ課長なのに部長と同レベルの判断力、胆力、そして下っ端と同じように自分の手を動かす猛烈社員。彼は仕事ができるので、次から次へと仕事が集まってきます。

ある年、先輩の担当する物件が鬼のように多く、毎日10~11時過ぎまで仕事をする日々。実施設計が忙しい中、プロポやコンペも手伝うほど活躍したのです。先輩も、ボーナスを期待したのでしょう。しかし結果は・・・

昨年と変わらず。

『今年こそ、ボーナスが増えると思った。』と陰口のように呟いた姿が印象的です。悲哀たっぷりの背中でしたよ・・・。その翌年、先輩は大手組織設計事務所へ転職しました。皆さんは、先輩の転職を『当然だろ』と思うでしょうが、役員連中は、驚いていました。まさか先輩のような中堅社員(35才)がキャリアアップを考えているとは思わなかったようです。

このように、どんなに仕事を頑張っても給料アップが望めない会社ってあると思います。なぜ仕事を頑張っても給料が上がらないのでしょうか?それは日本の会社特有の、給料の決め方があるからです。

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設計事務所の給料ってなんで不透明なの?

給料はどうやって決まっているのか?考えたことはありますか?中小企業は、労働組合を持たない会社が多いので、賃金は会社に言われるがままです。

ですから大企業に転職すると驚くと思いますが(本当は当たり前だけど)、ボーナスを決める計算式があります。社長のサイコロ一振りで決まっているわけではなく、半年間の成績を計算式に当てはめて決められています。さらに労働組合がある会社は、ボーナスを下げすぎないよう組合が働きかけたり、雇用者側に文句を言うことができます。

典型例が世界の『TOYOTA』です。労働組合が強く、この3年連続で賃金のベースアップを成功させています。僕たちが社長へ『給料上げろや!』と責め立ても、『ハイ、お前クビ』となるのが落ちでしょう。ですから、社長の一存に任せるしかないのです。

以上のように、設計事務所の給料やボーナスは不透明です。前述した先輩は、部長レベルに仕事ができて、何件も物件をこなしています。ではなぜ、給料やボーナスが上がらないのか?

 

そもそも日本の会社は、給料の決め方が年功序列制

日本の会社の多くは、実力で給料を査定するシステムではありません。例えばアメリカの企業は、年齢が関係なく実力に応じて翌年の報酬が決まります。

一方、日本の会社は、年齢に応じて給料が増えていきます。その考え方はこうです。まず二十代前半の男性は、結婚もしない独身が多いでしょう。そのため、生活にかかる維持コストは少なくて済みます。1人暮らしですから家賃も少なく、食費も1人分です。

それが30代や20代後半になると、結婚して子供が1人いてもおかしくありません。生活の規模は大きくなって、部屋も1kでは狭すぎます。将来、子供が増えることも見越して2LDKとか広めの部屋にするのでしょう。3人暮らしなら、1人暮らしの3倍近く生活コストがかかります。

部長や次長クラスの50代になると、住宅を購入してローンを支払っている最中かもしれません。子供は成長し、大学にも通わせています。大学進学は最もお金がかかるイベントの1つ。生活コストは最大になるでしょう。

以上のように年代別に、生活維持コストは高くなります。年功序列制は、この生活コストの上昇に伴って、給料を高くする仕組みなのです。ですから、仕事のできない部長が給料高いなんて当たり前なんです。仕事をバリバリする先輩の給料が、部長より少なくても当然。それは仕事の対価として賃金を決めているわけではなく、生活コストに応じて賃金を支払っているからです。

こんな当たり前のことを知らないと精神的に損です。おそらく転職した先輩は、またこう思うでしょう。『転職してベースアップしたけど、仕事ができない上司よりなぜ給料が少ないんだ!』と。

しかし、それは当然のことなんです。『実力に応じて給料は高くならない』ということ。自分の実力に自信があって、とにかくお金を稼ぎたいのなら、サラリーマンよりも独立ですよ。

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