本の紹介

【書評】初めての建築構造設計

入社したての頃、右も左も分からない状態で構造設計をしていました。僕が入社した設計事務所は、それはもう風通しが悪くて。今でも在籍中なんですが、とにかく社員同士の会話が無い。部長ははじめみ皆イライラしているんです。だから、質問できる雰囲気もなく、淡々と仕事をしています。

そんな中、新入社員の僕は物件をを投げられて最初はそれはもう苦労しました。出来てないと怒られるわ、質問すると俺に聞くなと言われるわで大変。そんなとき、初心者向けの構造設計の本を買おうと思ったのです。

それが、『初めての建築構造設計』。なんか頭が悪くても読めそうな本ですよね笑?正直、皆さんにおすすめしたい本ではないのですが、せっかく読んだので書評していきます。

 

内容は実務初心者向け。対話形式で読みやすい。

内容は実務を初めて1日目~1年目の超初心者向けです。なといっても、構造設計の概要で1/4ページ分を占めています。まず、構造設計がどんな仕事か説明した後でRC造の設計方法やS造の設計に進みます。

難しい計算は少なくて、ほとんどが一般的な納まりやラーメン構造の設計に基づいています。演習問題形式が少ないので、参考書として使うのがいいかなあと思いますよ。

また文章は『上司』と『M君』の対話形式で進められています。読みやすいですね、とても優しい上司で、僕の上司もこんな人だったらなあ・・・。

 

右側のページが緑の背景で分かりにくい。

対話形式でわかりやすいんですけど、なぜか右側のページの背景が緑色。左側は普通なので、何か意味があるのか?と思ってしまいます。でも、意味は何もない。これ、とても読みにくいだけでした。

文章の形式が、こちらが思っている疑問点に対して解決していくだけに残念。

 

荷重拾いの説明がわかりやすかった。

上司はRC規準を読め!とかいいますけど、正直わかりにくいじゃないですか。あれ頭いい人ようの文章ですからね。大体、作った人は建築学会の頭良いグループですから。僕みたいな凡人には少しの時間で理解できませんよ。

一方、本書の荷重拾いの説明は分かりやすい。と、いうか説明しすぎているくらいなので、順番に文章を読んでいけば答えにたどり着けます。特に良かったのは、階段自重の荷重拾い。皆さんはどうやって拾っていますかね?RC階段の段部は蹴上げがあるので、凸凹してますよ。

そう、これはスラブの厚をデコボコの分だけ厚く設定してやるのです。蹴上げをH、踏み面をBとすれば、三平方の定理で斜めの長さLがわかります。この、H,B,Lで構成される三角形の重心位置からスラブ下端までの厚みがデコボコを考慮したスラブ厚となります。あとは単位体積重量24kN/㎥をかければ平米荷重が算出できますね。

 

まとめ

今回は、実務初学者向けに初めての建築構造設計を書評しました。文章は確かにわかりやすいですが、構成が分かりにくいのが難点。実は、本のわかりやすさは構成で決まります。文章は読み進めるまでわかりませんので。

 

この本、僕の周りにも購入している人がいて構造未経験の人でした。構造初心者だったり未経験の人にとっては分かりやすいかもです!

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