ども、Tです。
RC規準書の1章ってあまり読んだことありません。でも重要なんですね。今日、あらためてRC規準の1章『総則』を読んでみました。
読んで面白いのは『目的と適用範囲』の項目。へーそうなんだ、と思うこともあります。まずRC規準の適用範囲は下記の通り。
1.本規準は、主として、鉄筋コンクリート造建物の使用性、損傷制御性を確認するために使用する。一部の条項は、安全性の確認のためにも用いられる。
つまり、安全性の確認は一部の条項でしか行われていない。では、使用性、損傷制御性、安全性とはどういった意味でしょうか?それぞれRC規準2010年版より引用します。
使用性:長期間作用する荷重によって使用上の支障が生じないこと。
損傷制御性:数十年に1回遭遇する程度の地震、台風、積雪を受けても、建物は補修せずに継続使用できること。
安全性:数百年に1回遭遇する程度の大地震が生じても、建物の転倒・倒壊を防止し人命の安全を確保できること。
と書いてあります。この3つの項目について細かくみていきましょう。
使用性とは何か?
使用性の確認とは、『長期荷重にもつか?』ということです。素人さんに説明するなら『床そのものの重さや、歩いたり机やイスの重さに、床や梁が耐えられるか?』ということです。
もちろん、構造設計は長期荷重に耐える部材にすることは当たり前ですね。言われるまでもありません。
損傷制御性とは何か?
損傷制御性とは短期荷重に耐えるか?ということです。では短期荷重とは?『数十年に1回遭遇する程度の地震、台風、積雪』のようですね。
これを震度にむりやり置き換えると、震度5弱~6弱かなと思います。この程度の地震がきても、補修無しで継続使用できないといけません。数十年に1回の台風、積雪でも大丈夫なように、と書いています。が、意外と積雪で壊れる建物は多いような気がします。
安全性とは何か?
いわゆる終局時に耐えるか?ということです。でも『耐える?』という表現にすると補修無しでも継続使用できそうですね。これを解決するために『転倒、倒壊しない』という言葉づかいになっています。
ところで、数百年とは200以上を意味しています。100年に1回の地震は数百年と言いますか?数十年とは99年で良いですか?どこか曖昧な表現ですよね。
言葉通りに考えれば99年に1回の地震は数十年に1回の地震。つまり損傷制御性に耐える必要があります。
まとめ
今回、RC規準の総則を読んでみて分かったこと、分からなくなったことがありました。特に、地震の頻度は数十年とか数百年という表現しかなくて、とても曖昧です。
『震度○』という表現にするとなぜ問題があるのでしょう?昔は建物の倒壊度合いで震度を決めていましたが、現在は震度を計測してますよね?絶対的な評価は可能なように思います。
こちらRC規準に基づいた演習設計の本。設計用プログラムのCD付き、という珍しい代物。実務的で分かりやすいのが魅力。