柱や梁を小さくしようと思ったとき、『どこまで小さくできるか?』考えたことはありませんか?例えば、耐力壁付きの梁のように地震力は耐力壁が負担するので、いくらでも梁を小さくできそうです。
しかし、いくら応力が小さくても無限に小さくしていいわけではありません。これにも規準があります。RC規準2010年版p.318-319に明記してある『推奨規定』です。
柱と梁の最少断面の計算式
とても簡単な計算式で決めることができます。それが、
√st/3又は2t以上
s 壁板(h×L)の短辺の長さ
t 壁厚
という式です。
sは壁板の縦と横の長さを比較して短い方の長さです。例えば、下記の条件で試しに計算してみましょう。
s=4000mm
t=200
梁の最少せいD=√4000x200/3=516mm又は2×200=400
以上より、最少せいD=516又は400mm
となります。516という半端な数字は設計では使いませんから、最低でも550は梁せいが必要ですね。ちなみに、この計算式は実験結果により決められた式です。
あくまで推奨規定です。
必ずしも『こうしなさい』という規定ではありません。断面を決めるときの目安とか推奨の意味です。RC規準にも下記のように書かれています。
以上の条件は全ての耐震壁、全ての破壊モードに対して推奨されてきたが、以下のような例も含めて、柱梁の断面、特に最少径は必ずしも必要でない、あるいは明らかなに過大である場合も多いと考えられる。
全てが勝手に決められない。
『全てが勝手に決められない』です。どんなに細かいことだって規定やら規準があります。簡単な応力計算でもてばOK、でなくて関係する規準を調べて決めるようにしましょう。必ず根拠になる文献が出てきます。
僕も上司から教えてもらったんだけどね。
偉そうなこと言いましたが僕も上司から教えてもらいました。RC規準を一通り読んだと思っていても、まだまだ知らないことも多いですね。
僕は忘れっぽいので備忘録として残しました。皆様の何かの役に立てば!