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50㎡の建物が確認申請を出すまで1年かかって病んだ件。

ブラック体験談

仕事は早く終わるほど精神衛生上良いものです。僕が入所しているブラック事務所では公共物件が多いのですが、公共物件の多くは地雷案件も多いです。で、地雷案件の特徴が、『改修や増築物件』であること。

新築物件は、新しい土地に新しい建物を設計するので、自由度がとても高い。一方、改修や増築案件は、元の建物を壊したり、構造的に影響がない中で設計するので、とても気を使います。大手の設計事務所さんが改修物件を担当するなんて、まあ無いでしょう。

だから余っているんです。だれもやりたがらない仕事ですから、うちみたいなブラック事務所でも簡単にとれる仕事なんですねぇ。

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公共の改修、増築案件はマジで糞。

ハッキリ言わせてもらいます。改修、増築案件は総じて糞です。僕が今担当している改修、増築物件があります。増築建物がたったの50平米。それなのに、設計に1年費やしています。50平米の設計なんて、普通なら一週間ですか?

まあとにかく、お役所仕事は時間がかかります。何がそんなに時間がかかるのか?

 

① 細かい要望

まず要望が細かいですよね。構造図にアレコレ描いてくれと言われて図面枚数が増えていきます。図面枚数が増えると食い違いが増えます。気を付けていても間違うことがあるじゃないですか。チェックしてもらうとき、これを指摘されるんですねえ。あー、腹立つ。

 

② 無駄な打ち合わせが多い

次に打ち合わせが多い。言っちゃあ悪いですけど、たったの50平米ですよ!打ち合わせなんて1回やれば問題ないと思います。それが月に数回。

 

③ 書類作成が多い

極め付けは沢山の書類を作成させられること。役人にとって書類が全てですからね。とにかく沢山の書類を作成させられます。最近、設計じゃなくて書類作成業務で1日終了することが多くなりました。

役人が下手に勉強していることも問題。彼らは中途半端に知識を身に付けていますから、『じゃあ、こうやったらどうなる?』と言ってきます。構造設計に『絶対』はありません。『こうやったらどうなる?』という聞き方をされると、『じゃあ念のため比較しましょうか。』となるわけです。本当は無駄な比較なのに。

 

反撃しないブラック部長も糞

一度役所の人間に『そんなことできるかあ!』と言えればいいのですが。もちろんオブラードに包んで。でも、ブラック部長は社内の部下に当たりが強くて、目上の人や役人にはヘーコラする糞人間なので期待できません。

ところで、CIAがスパイ活動で、組織を破壊する方法がネットに出回りましたね。打ち合わせ回数を増やすとか、無駄な書類をつくるとか、承認回数を増やすとか。日本の役所丸写しじゃないですか!

日本の役所って能無し集団だったのか。

逆に言えば、能無しでもしっかり給料とボーナスをもらえる仕事は他にはない、と思います。能無しの僕にはうってつけの仕事だと思いました。

 

そして病んでいく。

現在進行形で病んでいるかもしれません。どんなに病んでも精神科にお世話になりたくないので、一応病気ではありません。

仕事は相手があって成立するものです。今回の糞案件のように、意思決定の遅い役所が施主さんならとても時間がかかります。で、いつまで経っても同じ仕事をしていると、次第にやる気がなくなってきます。

『鉄は熱いうちに打て』とは言いえて妙で、1年前から始まった仕事に熱なんかありません。冷めた鉄を必死で打っています。そんな状況が続いていると、

いつ、この仕事は終わるんだろう・・・。

そんな気持ちになります。その気持ちが休日まで続いたらアウト。あなたも病んでます。きっと仕事に行きたくなくなります。

 

とにかく忘れること。

自分を守る基本的な技ですが、とにかく忘れること。忘れることは、素晴らしい。嫌なことを次々と忘れていきます。1年続いている設計も忘れるようにしています。ある日、ふっと思い出すこともありますが・・・。

先週、この案件をようやく確認申請に提出することが決まりました。ただ、計画通知なので、県に見てもらうことに。ビューローだと2日あれば指摘あがるんですけどねえ。県だと1ヵ月は覚悟しています。

改修、増築案件は、本当に働けば働くほど赤字になる仕事です。若手社員が頑張ってサビ残をしているので気づかれないかもしれませんが。大赤字の仕事をとってくる老害営業さんが、理解しているのか?設計にかかる手間という共通認識があれば、変わるんでしょうけど。

あ、それが出来ないから老害なのか。

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