一級建築の試験勉強

構造計算適合性判定を省略できる建築物とは?

僕がこの業界に入った頃から、適合性判定制度は「あった」わけですが、そう思うと昔は楽だったのですね。「適判のせい」で1,2か月は工期が延びることはありますし、下手すればもっと。

僕みたいな若手構造屋からすれば適判機関に図面や計算書をチェックしてもらう、なんて一番の難関です。できれば適判は避けたいところ。そこで今回は適判を省略できる建築物について特集してみました。

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法第20条1項第三号、又は二号でも令第81条第2項第二号イの計算なら可

建築物の確認に関する法文は第6条、6条の3に書かれています。また、その適用区分について法第20条1項に明記があります。

法文を読んでも分かりにくいだけなので、ざっくり説明します。まず一号は超高層建築物で高さが60m以上のもの。二号は一定の規模などを超える建築物。一定とはなんぞや?と思われるでしょうが、これは第6条に戻って読めば詳しく書いてあります。

で、第三号は中低層の建築物。第四号は構造計算が不要な小規模建築物(いわゆる四号建物)です。

 

さて、適合性判定が必要な建物とは、要するに「法第20条1項第二号」に該当する建物です。

これは構造屋さんにとっては、施行令第81条の方が読みやすいかもしれません。つまり、「構造計算ルート3」の建築物は全て適合性判定を受けることになっています。また規模的にはルート2も、本来は適合性判定を受ける建物です。

しかし、法第6条の3第1項にただし書きが書かれていて、施行令第9条の3によって構造計算適合性判定の省略が明示されているのです。

それが、「二号でも令第81条第2項第二号イの計算なら適判省略」という内容です。二号でもって、令第81条第2項第二号イの計算とは「計算ルート2」のこと。ただ令9条の3を読めば、ルート2は無条件に適判省略できないことが書かれています。

 

 

審査を行うものが一定の能力を有していることが前提

元々、ルート2は適判が必要な建物でした。それを省略できる法文をつくったけど、「適判並みの審査はしたい」というのが本音でしょう。それを裏付けるかのように、令第9条の3には審査を行うものが一定の能力を持っていることが前提です。

適合性判定は専門家によるピアチェックという性質をもっています。「適判並みの審査」を行うためには、適判員に近い構造的能力が必要です。それを下記のように定めています。

  1. 構造一級建築士
  2. 構造計算適合性判定資格者
  3. 一定の講習を修了した者
  4. その他大臣が定める物

僕も実務をしていて、計算ルート2の建物を設計したことがありました。計画通知なので市の建築指導課に申請します。しかし、その指導課では上記に示す「一定の能力を有する者」が居なかったために、計算ルートをどうするか問題になったのです。

結局ルート3で設計することになりましたが、設計が終わった段階で見つかっていたら大変なことでした。

民間の審査機関では大抵、適判資格を持つ方も見えるので安心ですが、市の指導課にはそれほど人材がいませんので注意したいところです。

 

・まとめ

適判を省略できる建物は、

・計算ルート1

・計算ルート2(ただし、一定の能力をもつ審査員がいる確認機関に提出することが原則)

となります。

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