建築業界の分析

最終更新日: 2019.10.5

四号建物は構造計算書が必要ない?

ども、tyazukeです。

あなたは

  • 「どんな物件は、確認申請で構造計算書、構造図が不要?」

と思っていませんか。

「四号建物は構造計算書が必要ない」

僕が1年目のころ担当した100㎡以下の小屋。X,Y方向がラーメン構造、足元は露出柱脚です。

建築基準法も何も分からない僕に、先輩は「四号だから計算は関係ない。気楽にやれよ」、とザックバラン(とは違うか・・・)に言われたのです。

 

僕は全ての建物は構造計算するのでは? と思っていましたから、とても驚きました。だから先輩に言われた言葉も、意味が理解できませんでした。

今回は、四号建物は構造計算書が必要ない?という疑問に答えます。

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四号建物≠構造計算書、構造図不要

結論から言えば、「四号建物=計算関係ない」は間違っています。

構造設計者としての倫理観から、計算はするべきと言う話もありますが、政令で定められています。

但し、確認申請では、これらを提出する義務が省略されています。

政令36条の3 構造設計の原則

構造設計には原則があります。これを定めているのが、施行令36条の3です。構造設計の原則として1~3項が書かれています。要点を明記します。

 

1.建築物の構造設計にあたっては、建築物の用途、規模、構造種別、土地の状況に応じて、あらゆる荷重に対して一様に構造耐力上安全であること。

2.構造耐力上主要な部分は、水平力に対して釣り合いよく配置する。

3.構造耐力上主要な部分は、使用上の支障となる変形または振動が生じないよう剛性、瞬間的破壊が生じないような靱性をもたすべきものとする。

 

政令36条の3の1項によれば、建築物の構造設計は、あらゆる荷重に対して構造耐力上安全であることを確認します。「あらゆる」とは実際の法文ではありませんが、自重、積載、積雪、風圧、土圧、水圧、地震、その他の振動及び衝撃、と書いてあります。

ほとんど、あらゆる荷重で差支えないでしょう。テロリストや戦争による爆撃は想定していません。

 

また、「建築物」と書かれていることがポイント。建築物の定義は、柱又は壁が屋根に覆われている工作物のこと。

黄色本を読むと、構造計算書の提出を要しない小規模なものについても、その趣旨を反映する必要がある、と書かれています。

これより、「四号建物=構造計算必要ない」ではなくて、確認申請上省略されていると解釈すべきです。

木造住宅は構造設計の原則を満たしているか?

四号の代表、「一般的な木造住宅」は、上記の原則を満たしているのでしょうか。残念ながら一級建築士では、構造耐力の確認を行うほどの専門知識を有していない人が多いこと、が現状です。

また確認申請でチェックする義務がありませんから、チェックする人もいません。昔はバランスを考えず、壁をとにかく入れとけばいい、とか酷い設計も横行していました。

 

所感ですが、大手住宅メーカー品ならある程度問題なさそう。彼らは実物台実験を行って耐震等級を確認しているからです。

一方、心配なのは建築家や工務店による設計。最近は壁の配置も細かくなっていますが(平12年の告示による四分割法など)、本当に正しく計算できているか怪しいところです。

また、壁量を満足させただけで床の剛性が足りない、など心配です(吹き抜けなど)。

 

最も沢山ある建築物が住宅にも関わらず、それに構造設計者が関与しない、というのは可笑しくないでしょうか。

大きな地震が起きて木造住宅がパタパタと倒れると、そのうち四号も構造設計者の関与が、なんて話もでてくるかな。

 

ちなみに増築では、規模が小さくても確認申請に計算書が必要な場合があります。

こちらの記事をどうぞ⇒ 50㎡の建物が確認申請を出すまで1年かかって病んだ件。

最後に、建築基準法を分かりやすく説明した書籍を紹介しますね。

他の口コミはこちら⇒ 史上最強図解 よくわかる建築基準法

 

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