ども、Tです。
最近よく聞く「CLT」。ツイッターのタイムラインをみるとCLT建築のことが結構書かれています。もちろん賛否両論ありまして、
#nhk CLT工法って梁や柱を用いない構造設計が可能だというけど、火事にどれだけ強いんだろう?金額も鉄骨コンクリート工法にくらべてずっと高いからお試しというのも地産品でなければためらうような。
— Shibuya, Nobuhiro (@nsh1960) November 30, 2016
と、まぁこんな具合です。「CLT」と検索すると、日本CLT協会やら、CLT建築推進協議会などでてきます。今回は、CLT建築ってどんな感じ?海外の使われ方と感想についてお話しします。
CLT建築とは違いますが、木造建築も流行ってますよね。隈研吾さんの使い方は嫌いじゃないですよ。詳細は下記をご覧ください。
木のテクスチャと板感が中々良いではないか。
これはロンドンにあるCLT建築の1つ。「The SMILE」という建物らしい。英語に明るい方は、このHPを見てほしい。そして後で教えてくれると幸いです(http://www.thetulipwoodsmile.info/)。
一瞬ホキ美術館に見えました。
この建築物の形状は置いといて、木のテクスチャと板感がいい。普通、木造建築ときけば柱と梁でつくる建築が目に浮かびます。でもCLTは板材として利用されるので、面が強調される。どこか現代的にみえるのもGOOD。
一方でCLTじゃなくていいじゃんって建物もある。
鉄骨・・・かな?
わざわざCLTでやる意味ある?という建築の一例(設計者さんゴメンナサイ)。
鉄骨・・・かな?
鉄骨・・・かな?
CLTを使えば国内林業に貢献できるってことも理解できるのですが、建築としてどうあるべきか、そんな視点が欠けているように思います。
木の有難みが無いというか。木材が上画像のように、ツルピカ綺麗にされたら木の愛嬌もへったくれもございません。
「CLT!」、「CLT!」、「CLT!」と技術だけ押し付けられても・・・鉄骨で安く簡単に設計できる建物をわざわざCLTで代替する意味を考えちゃいます。
技術先行で良い建築ができる?
日本の建築業界が成熟期に入りまして、各専門家はより新しいことを求めています。特に技術屋さん。でも、技術が先行して「こんな新しいことができたぞー!」って。
何か違うよなぁ。
研究者やメーカー、構造屋さんが盛り上がっているだけじゃんか、と思いませんか。もっと建築家からのアクションが欲しいですよね。
構造屋が出しゃばった建築ほど、みっともない物はない。
CLTで林業が復活?本当かな?
「CLT!」、「CLT!」、「CLT!」いう前に考えてほしい。
「CLT」を使うことで国内林業が復活する理由は何か。そして、そもそも国内林業はなぜ衰退したのか。後者の理由は紛れもなく、木材の自由化。つまり外国産の「安い木材」が入ってくるので、国内産の木材が使われない。
これは仮に「CLT」でも同じことではないでしょうか。外国産のCLTを輸入するだけでは?
専門家や石破大臣のように「需要が増えれば」国内CLTの価格が下がる、と言っていますが・・・。需要が増えるだけの根拠はあるのですか、と聞くと明確な答えはないように思いますね。
CLTで鉄骨の置き換え建築を創っている現状では特に。
CLTにしかできない建築をつくること。
そして世間、世論がCLTを求めること。そんな気運が高まって初めて、と言えるのではないでしょうか。
ともかく。「CLT!」、「CLT!」、「CLT!」と研究者やメーカー、ツイッターに踊らされるのは気をつけましょうぜ。