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屋根折板とは?許容スパンと山高、折板受け、屋根折板を使う注意点3つ

構造設計

ども、Tです。

鉄骨造の小さな建物だと、屋根に折板を使うことが多いです。折板は軽くて設計が簡単で、便利な代物です⇒ 最もくわしい 屋根・小屋組の図鑑

ただし、設計は簡単ですがいくつか注意することがあります。今回は屋根に折板を使うときの注意点を3つ紹介します。

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屋根折板の許容スパンと山高の関係

折板を用いるとき最も注意することは、小梁の配置です。

折板は鋼板を折り曲げて強度を高めた部材。何十メートルもスパンを飛ばすことができません。目安としては、せいぜい3.0m程度。つまり3.0m以内ごとに小梁を設ける必要があります。

さらに折板の許容スパンは山高で変わります。山高とは折板の山になっている部分の高さのこと。当然ですが、山高が大きいほど許容スパンが長くなります。

意匠と構造、両方の要望を満足した山高を設定し、小梁のピッチを決めましょう。

屋根折板の注意点3つ

屋根折板を使うときの注意点は下記の3つです。

  • 折板方向と直交方向に小梁は設ける
  • 折板から天井は吊れない
  • 折板の水の流れ方向と直交方向は片持ちにできない

詳しく説明しますね。

折板方向と直交方向に小梁は設ける

折板は荷重の方向性があります。

水の流れる折板方向が、そのまま荷重の流れる方向です。つまり小梁は、折板方向と直交する方向に設けることが原則です。

折板から天井は吊れない

東日本大震災で、折板から吊った天井が多数落ちたと聞きます。

以降、折板から直接天井を吊ることはやらなくなりました。実際僕は、いくつかの折板メーカーに問い合わせしましたが、全てNO.という答え。

天井をつけたいときは、天井受け材が別途必要です。母屋のような材料で十分でしょう。昔の人は、当たり前に折板から天井吊っていたので、注意しましょう。

折板の水の流れ方向と直交方向は片持ちにできない

折板の水の流れ方向は、いわゆる強軸方向なので、折板単体で片持ちにできます。各メーカーとも、山高の5倍と言われています。

一方、折板方向と直交方向は片持ちにできません。弱軸方向だからです。ですから、必ず片持ち梁を設けて折板を受けるようにしましょう。

まとめ

今回は、屋根折板とは?許容スパンと山高、折板受け、屋根折板を使う注意点3つについてお話ししました。下記の注意点

  • 折板は山高によって許容スパンが変わる
  • 折板方向と直交方向に小梁は設ける
  • 折板から天井は吊れない。
  • 折板の水の流れ方向と直交方向は片持ちにできない。

以上、折板を使うときの注意点でした。鉄骨造の詳細、納まりは下記が参考になります。

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