建築のこと

建築屋さんが覚えるべき、たった2つの構造計算とは

ども、tyazukeです。

「建築」は、一口で言えないほど分野が細分化されています。

大まかにいえば、建築物の外観や内観をデザインする意匠設計、建築物の安全性を設計する構造設計、室内空間の環境や省エネを設計する設備設計です。

 

そして細分化され過ぎたがゆえに、自分の専門領域以外は学ぼうとしない人がとにかく多い。事務所の意匠屋さんの中には、RC造なのに平気で15mスパンを飛ばした図面をもってきたり。

かと思えば、鉄骨造で柱を3m毎にたてる輩もいて・・・。建築の常識ってもんがあるだろ、と思うのですが。

 

意匠屋さんは簡単な構造計算くらいは知っておくべきだし、知っていれば図面を描くとき役に立つことも多い。

ということで今回は、建築屋さんが覚えるべき最低限の構造計算を3つ紹介します。

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最大曲げモーメントの算定

曲げモーメントは構造部材を決める時、最も手がかりになる情報です。鉄骨造は変形が大きいので、それも気になりますが、とりあえず曲げモーメントが分かればOK。

建築屋さんが最低限知っておくべき曲げモーメントの計算はこちら。

  • Mo=wL^2/8

です。wは単位長さ当たりの荷重、Lは部材のスパンです。曲げモーメントは、こんな簡単な計算で求めることができるんです。

 

実務でも、小梁の計算は基本的に上式で算定しますよ。さらに、wは下式で算定します。

  • w=W(平米荷重)×B(部材の負担幅)

平米荷重は鉄骨造の一般床(RC床)なら6~9kN/㎡、RC造の床なら10~12kN/㎡でしょうか。

 

Moの式をみてわかるように、曲げモーメントはスパンが大きな影響を持ちます。実際に計算すれば、RC造で15mスパンがいかに愚かな行為かわかるでしょう。

 

必要断面係数の算定

構造屋さんなら、曲げモーメントを聞いただけで部材の大きさがイメージできます。

構造屋さん以外の建築屋さんにそこまで要求しませんが、必要断面係数くらいは算定できるようにしてください。

 

必要断面係数の式は、

  • Z=M/156

で算定できます。156は許容曲げ応力度です。本当は、156になるとは限らないのですが、それは構造屋に任せればいいです。

重要なのは、建築屋さんが部材の大体のイメージを持つことですからね。

 

Moを算定⇒Zを算定⇒それに見合う部材断面を調べる。たった3つの作業をするだけで部材のイメージができます。ちなみに、鋼材の断面表はJFEあるいは新日鉄住金が提供しています。

ネット上でも公表されているので参考にしてください。

 

例題を計算してみよう

こんな例題を考えてください。

  • スパン L=8 m
  • 荷重 w=9 kN/m

 

つまり、

  • Mo=9x8x8x/8=72kNm
  • Z=72x1000/156=486c㎥

です。簡単ですよね。ちなみにZの計算で1000をかけたのは単位変換のため。鋼材表では、「c㎥」の単位で書かれてることが多いので。

 

まとめ

今回紹介した構造計算は、本当にさわりの部分。

でも、この2つを知るだけでおバカな柱割りは無くなる、と思います。少なくともRC造で15mスパンにすることはないでしょう・・・。

 

あと、毎回計算しなくてもエクセルで計算を作っておけば楽ですね。簡単にチェックすることができます。

建築屋さんなら、これくらい覚えておきましょうぜ、

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