建築業界の分析

最終更新日: 2019.10.20

建築屋さんが覚えるべき、たった3つの構造計算とは

ども、tyazukeです。僕は構造設計の仕事をしていますが、意匠屋さんの中には常識外れの図面を持ってくることが少なく無いです。例えば、

  • RC造なのに平気で15mスパン
  • 鉄骨造で柱を3m毎にたてる

ような図面をみせられます。その度に「部屋の真ん中に柱建つけどOK?」「PC造にするの?」と言いますが・・・。

建築の常識がありますよね?、と思います。

 

意匠屋さんも簡単な構造計算くらいは知るべきだし、図面を描くとき役に立つことも多い。ということで今回は、建築屋さんが覚えるべき最低限の構造計算3つ紹介します。下記も参考にどうぞ。

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最大曲げモーメントの算定

曲げモーメントは構造部材を決める時、最も手がかりになる情報です。鉄骨造は変形が大きいので、それも気になりますが、とりあえず曲げモーメントから。

建築屋さんが最低限知っておくべき曲げモーメントの計算はこちら。

  • Mo=wL^2/8

です。wは単位長さ当たりの荷重、Lは部材のスパンです。曲げモーメントは、こんな簡単な計算で求めることができるんです。

 

実務でも、小梁の計算は基本的に上式で算定しますよ。さらに、wは下式で算定します。

  • w=W(平米荷重)×B(部材の負担幅)

平米荷重は鉄骨造の一般床(RC床)なら6~9kN/㎡、RC造の床なら10~12kN/㎡でしょうか。

 

Moの式をみてわかるように、曲げモーメントはスパンが大きな影響を持ちます。実際に計算すれば、RC造で15mスパンがいかに愚かな行為かわかるでしょう。

必要断面係数の算定

構造屋さんなら、曲げモーメントを聞いただけで部材の大きさがイメージできます。

構造屋さん以外の建築屋さんにそこまで要求しませんが、必要断面係数くらいは算定できるようにしてください。

 

必要断面係数の式は、

  • Z=M/156

で算定できます。156は許容曲げ応力度です。本当は、156になるとは限らないのですが、それは構造屋に任せればいいです。

重要なのは、建築屋さんが部材の大体のイメージを持つことですからね。

 

Moを算定⇒Zを算定⇒それに見合う部材断面を調べる。たった3つの作業をするだけで部材のイメージができます。ちなみに、鋼材の断面表はJFEあるいは新日鉄住金が提供しています。

ネット上でも公表されているので参考にしてください。

梁のたわみの計算

梁のたわみは、とりあえず下式を使えるようにしてください。

δ=5wl^4/384EI

wは等分布荷重、lはスパン、Eはヤング係数、Iは断面二次モーメントです。計算式を暗記する必要ないですが、「たわみの計算式はこんな感じだったなぁ」と思い出しましょう。

例題を計算してみよう

こんな例題を考えてください。

  • スパン L=8 m
  • 荷重 w=9 kN/m

 

つまり、

  • Mo=9x8x8x/8=72kNm
  • Z=72x1000/156=486c㎥

です。簡単ですよね。ちなみにZの計算で1000をかけたのは単位変換のため。鋼材表では、「c㎥」の単位で書かれてることが多いので。

まとめ

今回紹介した構造計算は、本当にさわりの部分。

でも、この3つを知るだけでおバカな柱割りは無くなる、と思います。少なくともRC造で15mスパンにすることはないでしょう・・・。

あと、毎回計算しなくてもエクセルで計算を作っておけば楽ですね。簡単にチェックすることができます。

 

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