建築業界の分析

最終更新日: 2019.09.29

藤村龍至が唯一無二の存在に成れたメディア戦略について

ども、tyazukeです。

建築家は情報発信に初心だ、と書きました。特に年配の方にその傾向があります。一方で、若手建築家の中には、SNSを上手に使ってブランディングに成功している建築家も多い。

 

中でも藤村龍至さんは別格です。もちろん中身が伴ってのことですが、「上手いなぁ」と思います。

今回は、藤村龍至さんのメディア戦略について考えていきます。

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「いかにも建築家」というスタイルを創りあげた

僕が藤村さんを初めて見た(ネットの写真だけ)とき、「いかにも新進気鋭の建築家だなぁ」という印象を受けました。

長い髪を結って、口には髭を蓄え、黒縁の眼鏡をつける。小奇麗なシャツと細身のパンツに身を包む、あのスタイル。

 

彼は、このスタイルが好きだからやっているかもしれませんが、あのスタイルが、いかにもな建築家像と個性を僕らに植え付けます。

「名前と顔を覚えてもらう」なら十二分に効果があるでしょう。

 

もし、藤村龍至氏があの風貌じゃなくて、普通のスーツ姿に身を包み、ネクタイを締めていたら、多くのメディアに取り上げられることも無かったでしょう。

メディア戦略において、スタイルはとても重要です。個性的な風貌であれば、メディアも面白がって取り上げてくれます(何度も言いますが、実力が伴ってのことです)。

 

近代建築の重要人物、コルビュジェはあの特徴的な丸眼鏡があったからこそ、メディア受けも良かったと思うわけです。

 

SNSの波に上手く乗った

僕が学生の頃、日本にtwitterのサービスが進出してきました。それまでSNSと言えば、日本産のmixiが主流でしたが、あっという間に広まったのを覚えています。

あの頃、アンテナの感度が良い人は、すぐにSNSを自己表現のツールとして上手く利用していました。

 

藤村氏もその一人です。彼は今でもtwitterを利用していますが、本当にマメに使いこなしています。フォロワーも多い。

 

異様な存在を上手く利用した。

彼の存在は、良い意味でも悪い意味でも異様です。元々は都市計画系の研究室にいたし、設計事務所勤務無しで独立しています(但し、大学院で転科され、塚本研究室で設計の実務経験は積んでいた、と思われます)。

 

これまで誰も歩んでこなかった建築家の経歴は、メディア受けは良いです。普通の人より、特殊な人の方が沢山記事が読まれるからです。

安藤忠雄が一躍スターダムに上り詰めましたが、理由の一端に「元プロボクサーで、独学で建築を学んだ」という点もあるでしょう。

 

メディア先行か、実作品先行のどちらが重要か?

上記に書いたように、藤村さんは批判の的や議論の対象になることも多いでしょう。おそらく、「藤村はメディアばかり出ていて、実作品が少ない。あいつは建築家と呼べるのか」とか。

多くの実務者としては、実際の設計に携わることなく批評や理論だけで、突き進む藤村さんを疎ましく思うこともあるでしょう。

 

外から見る限り、彼は華やかに見えますからね。

でも僕は、藤村龍至さんがメディア先行だとしても、それは建築家として生きる戦略の1つだと思うんですよ。

 

どうも建築家は清廉潔白でなきゃならない、という観念が拡大解釈されている。数年真面目に働いて、血反吐をはいて、キチンと事務所を構える。

そこから着々と実力を積んでいって・・・みたいなステレオタイプの建築家像があるのかもしれません。

 

むしろ、これからは益々実作品を設計する機会は少なくなります。

建築家は、実際の設計にこだわるのではなく、アンビルドの作品を議論したり、建築の理論を提唱したり、まちづくりに携わるなど、「設計しない建築家」が増えてもいいのかなと。

 

まとめ

  • 「いかにも建築家」というスタイルを創りあげた
  • SNSの波に上手く乗った
  • 異様な存在を上手く利用した。
  • メディア先行型の建築家だって全然アリ
 

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