ども、Tです。
現在に至るまで、建築業界は1度の大きなブレイクスルーを経験しています。図面の「CAD化」です。昔は手書き図面でしたが、CADソフトで図面を描くことで、正確性、作業性も格段にアップしました。
僕の専門で言えば、構造計算もブレイクスルーの1つ。計算尺を使っていた時代が、コンピューターによる演算が当たり前となりました。
「テクノロジーは業界の常識を覆す」
そして、今後もっと大きな変化がくる、と僕は思います。もっとカオス的で複雑なブレイクスルーが。今回は、建築とテクノロジーのこれからについて考察していきます。下記もご覧ください。
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建築業界に押し寄せるビッグデータ技術
ビッグデータとは、その名の通り巨大で複雑なデータの集合体のこと。例えばツイッターの何千、何万という呟きを集積し、そこから流行るトレンドを見出すこともビッグデータの活用法です。
従来は処理できなかった膨大なデータを扱い、そこから一定の法則を見出し、ビジネスに応用できればグーグルに勝るとも劣らない企業となるでしょう。
ですから、ビッグデータ技術はあらゆるIT企業が開発に熱心なんです。
建築業界でも例外ではありません。例えば、各世帯が所有している戸建て住宅の内部の、至る所にセンサを埋め込みます。
このセンサにより、家の使い方(動線や電灯など)を24時間、365日リアルタイムにデータをとりつづけます。得られたビッグデータで、より住みやすい住宅の間取りを提案することも可能でしょう。
建築家がアレコレと考えていた「住みやすい空間」が、ビッグデータ技術でいとも簡単に分かってしまう。
そうなると、技術開発に熱心なハウスメーカーの住宅の方が、「住みやすい、使いやすい」と評判になるでしょう。
空間は電子的に創る時代が到来する
僕には、二次元CADがBIMになったからといって、強烈なブレイクスルーが起きるとは思えません。
それよりも、もっと思いもよらない方面の技術が建築業界を変える。
僕はそう思いますね。
例えば、現代の魔術師と言われている落合陽一氏は、空間に3D映像を描画する研究を発表しました。しかも、この3D映像は指で触れることができる。
妖精をレーザーによる空気のプラズマ化で空中に映してツンツン触れるようにした「Fairy Lights in Femtoseconds」
何とも驚きの技術ですが、これを建築業界に応用することはできませんか?
例えば、空間の構成。
日本は1つの部屋を、障子という薄っぺらい紙で遮ってきました。これが電子的な壁になっても案外違和感が無いのかな、と。
建築物の室内に間仕切り壁が無くなったら、それは大変なブレイクスルーでしょ?図面が超簡単になる。
まとめ
- ビッグデータ技術により、住みやすい空間が実現する。
- 技術開発に熱心なハウスメーカーの住宅が売れる。
- 空間は電子的に創る時代が到来する。