建築のこと

アトリエ系事務所のワンマン体制は、どこまで有効か?

ども、tyazukeです。

日本の近代建築をつくった巨匠前川國男はかつて、「私一人で組織をまとめるには30人が限界だ」という旨の発言をしました。

 

時は流れ、現在の有名建築家のアトリエをみると、隈研吾氏の事務所100人以上、伊東豊雄氏で50名以上、アトリエ系がいわゆる「個人商店」ではなく大団体の様相を呈しています。

果たしてそのような状況で、アトリエ系のワンマン体制は成り立つのか。

 

今回は、アトリエ系事務所のワンマン体制について考えていきます。

スポンサーリンク

 

100人以上の人数で、所員は育つか?

先に述べたように、所長の目が行き届く人数は、30人と言われています。

 

ところで経営学では、スパンオブコントロールという考え方があります。これは、元々は軍隊で部隊を編成する際の概念です。

これらの研究によれば、管理可能な人数はおおむね10人とされています。

 

またモンゴル帝国の部下管理の単位は10名だった、という話もあります。

かつて世界最強であった中世のモンゴル帝国の部下管理の単位は「10名」であり、この階層を増やすことによって1万人の部隊を容易に統率できたという例を示されています。

 

少なくとも100名以上のアトリエ系事務所では、所長の目は行き届かないのが現状なんです。

 

さて、アトリエ系事務所で働く理由の一つが、スター所長の考えやスキルを盗む、ということでしょう。

しかし、所長が忙しく会う間も与えてもらえないような状況で、本当に正しいスキルアップができるか疑問です。

隈研吾氏は一年の半分以上を海外で過ごしているようです。そんな状況でTOKYOオフィスのスタッフは、隈研吾氏から何が学べるのでしょうか?

 

若手のアトリエ系事務所に入所するのはどうか?

先に述べた理由より、有名建築家のアトリエに入るのは正直どうなのかな、と思います。

 

伊東さんの事務所でも昔は人数が数人から始めた。

伊東さんの目が行き届いて、その頃に入所した若手は思いっきり怒られて怒鳴られた。だから成長したのだと。

今はどうでしょう?隈研吾氏の100人以上いる大所帯の事務所で、隈さんの理念や思想は受け継ぐことはできない、と思います。

 

確かに経歴にビッグネームを書けるのは魅力的ですが、むしろ、彼らの弟子が独立したアトリエ事務所に入所する方がよい、のではと思います。

例えばSANAAは、比較的少人数で設計をしています。妹島さん、西沢さんという建築家の目が行き届く状況であるので、キャリアを積むには良い場所かもしれません。

 

まとめ

  • アトリエ系で成長できる環境は、所員30人がベスト
  • 有名建築家の弟子建築家がおすすめ(だと思う)

では。

スポンサーリンク
 

こちらも人気の記事です

ピックアップ記事

  1. 建築設計は嫌いだけど、建築は好きかもしれない。
  2. 大手設計事務所と中堅設計事務所の建築は何が違うのか?
  3. 建築系ブログを500記事書いて何が変わったか?
  4. 【書評】本田正信VS石田三成
  5. 今後、日本の建築設計者の技術力は中国に負ける

関連記事

  1. 建築のこと

    縮尺が合わない図面の、三角スケールの使い方

    ども、tyazukeです。今でも建築業界では紙の図面を沢山使います。打…

  2. 建築のこと

    隈研吾が感激したデンマーク料理店Nomaの3つのポイント

    ども、tyazukeです。「いま、デンマークが世界的に注目されてい…

  3. 建築のこと

    隈研吾氏に学ぶ、社員を大事にするちょっとした心遣い

    ども、tyazukeです。建築家って基本は自分勝手で偏屈で僕は…

  4. 建築のこと

    クレーンの衝撃力を設定する基礎項目について

    ども、tyazukeです。クレーンが走行する場合、それを受ける…

  5. 建築のこと

    建築の良さは目地で決まる?外壁と目地の関係性について

    街をフラフラと歩いていると沢山の建築物に出会います。そこで一番目に付く…

スポンサーリンク

最近の記事

Tazukeのおすすめ書籍

  1. 建築のこと

    本当は教えたくない、構造力学の勉強で役立った良書3選
  2. 建築のこと

    基礎から学ぶ、隣の音が聞こえないマンションの特徴と遮音等級について
  3. 構造設計に関すること

    土間コンクリートとスラブの違いと、配筋や床厚について
  4. 建築のこと

    隈研吾さんが設計したサニーヒルズを見学した話
  5. 労働のこと

    転職すべき設計事務所の特徴3つ、おすすめの転職先の選び方
PAGE TOP