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【RC造の設計】鉄筋の剛性を考慮すると計算の収束が遅くなる件

構造設計

RC造の建物は計算が色々と面倒です。僕が最近担当している物件でよく起きる問題が、『保有水平耐力』が足りないこと。

基本設計で設定した仮定断面の計算よりも荷重が大きくなっていることが原因です。仮定荷重の設定が甘かったかもしれません。

断面を大きくすれば良いですが、実施設計が進んでいる段階でそれはしたくない。ということで僕は『鉄筋の剛性も考慮する』をしています。

 

鉄筋の剛性を考慮すると保有水平耐力がアップ理屈。

一般にRCの剛性は、コンクリート断面だけを考慮します。しかし、実際には鉄筋が入っているので鉄筋の効果を考慮することも可能です。

鉄筋の剛性はコンクリートよりも10倍程度大きいため、小さな断面積でも剛性がアップします。

層間変形角により保有水平耐力が決まっているなら、鉄筋の剛性を考慮すれば『固い建物』になるので耐力が上昇するのです。

 

良いことばかりじゃない。

『鉄筋考慮』は保有水平耐力をアップさせる有効な方法です。が、良いことばかりじゃない。人生甘くありません。

鉄筋を考慮して剛性をアップさせると、当然1次設計まで影響ができます。今まで納まっていた部材がNGになる可能性があります。これだけで済めばいいですが、

1次設計NG→1次設計OK→部材の剛性が変わる(鉄筋考慮のため)→保有水平耐力再計算。

というループに嵌る可能性もあり、1度嵌ると結構大変。いつもの断面感覚もくるって、1次設計の計算も納まらなくなることも。

 

最後の手段にとっておこう。

初めから『鉄筋考慮』で計算すると手戻りが多くて大変です。そのため『鉄筋考慮』は最終手段としてとっておきましょう。でないと、2次設計も収束しづらいし時間を喰って障害ないですから。

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