Kindle Unlimitedで建築系雑誌や電子書籍を無料で100冊以上読んだ話

押出成形セメント版の支え方と、鉄骨との納まり

構造設計

ども、Tです。

外壁に押出成形セメント版を使うことがあります。押出成形セメント版はALCと似た材料で、強度が案外強いことが特徴です。そのため、一般的な建物の階高なら補強材無しにもちます。

しかし、鉄骨梁や柱との納まりを理解していないと、外壁が留まらない、なんて事態が起こることも。今回は押出成形セメント版の留め方と、納まり図を整理してみました。

似た材料でALCがあります。ALCの納まりについては下記が参考になります。

スポンサーリンク

一般的な柱、梁位置と外壁との納まり

一般的な柱、梁位置と外壁との納まりは下図のようになります。描いてあるように、梁の外面から外壁内面のクリアランス35~60mmの場合です。

梁と外壁との空きが狭いので、直接外壁と大梁とを留めることができます。具体的には、大梁の上フランジあるいは下フランジに通しアングルを設定し、そこからセメント版を留めます。

 

下の図は、クリアランスが60~250の場合です。そのままでは、通しアングルと外壁は留まりません。よってアングルを片持ち上に持ち出して受けます。

柱、梁位置と外壁が離れている場合の納まり

前述した納まりは比較的一般的です。但し、外壁と梁とのクリアランスが大きくなると、工夫が必要です。下図を見てください。

梁から[-100x50x5x7@600で片持ち梁を出していますね。クリアランスが大きすぎると、こういった工夫が必要。また、下図では、通しアングルを梁上部で固定しています。

 

下図の納まりも、上図と同じですが少し異なるのは目地の位置がスラブにあること。そのため通しアングルの位置が少し違います。上図では、片持ち梁の上下フランジに通しアングルが止まっています。

しかし下図では、目地の位置が片持ち梁おり上にあるため、上フランジに留まりません。そんなときは、通しアングルはスラブに直接留めます。

僅かな片持ちスラブができるわけですね。スラブは剛性が高いので、通しアングルは簡単に留まります。

まとめ

いかがでしたか。押し出し成形セメント版と梁のクリアランスが大きくなると、片持ち梁のような受け材が必要になります。その受け材に通しアングルを留めるわけです。

案外忘れがちですし、現場で漏れが発覚すると大変ですよね。この機会にしっかり覚えておきたいものです。下記も参考にご覧ください。

参考文献

  • アスロックガイドブックより
タイトルとURLをコピーしました