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鉄骨造は、応力よりも変形のチェックを主体的にすると、実現象としての問題は少ない

構造設計

ども、Tです。

鉄骨造って設計が簡単なだけに、注意することも多いと思うんですよ。RCはよく分からないことが多い分、計算結果よりも耐力が高いことが多いし。

鉄骨は計算と実現象が一致する分、計算ミスが実際の問題に発展しやすいんです。例えば、変形。片持ち梁の変形が予想以上に大きくなった、とか。

今回は、鉄骨造は、応力よりも変形のチェックを主体的にすべし、という話です。下記も併せてご覧ください。

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実現象で問題になる時は、大抵冗長性がない建物。

建物の構造にクレームが付くことってほとんどありません。仮にあるとすれば、冗長性が無い建物に多い。

※冗長性とは、構造に関して言えば「余裕のない建物のこと」。例えば静定構造物が該当する。1つの柱がダメになれば、たちまち崩壊する様。

 

例えば片持ち柱から、片持ち梁が跳ね出す構造。思っている以上に先端が変形してクレームが付くこともあるらしい。だから冗長性の無い構造物は、特に注意する必要があります。

応力じゃない、変形をみよ

そんな冗長性の無い建物を、実現象でクレームの起きないように設計するコツ。それは変形を極力抑えること。

できる限り現実に即したモデルで変形を確認すること。先に述べた片持ち梁の例でも、応力より変形が厳しいはずです。

 

また、先端の変形は固定端の変形よりも大きくなるのが通常。変型を抑えるためには、思っている以上に部材は大きくなる。

応力は二の次で変形を見ましょう。

片持ち柱、片持ち梁、ねじれを受ける梁は注意したい

具体的に、実現象で注意する部材を明記しておきます。

  • 片持ち柱
  • 片持ち梁
  • ねじれを受ける梁

まず片持ち柱は、先に述べた通りです。冗長性が無く、変形も大きくなりやすい。もっと気をつけたいのは、片持ち梁です。

鉄骨造の片持ち梁は、静定構造の場合、固定端の変形よりも大きくなることが多い。屋根ならまだいいですが、人が歩く床を片持ち梁と、片持ち柱で受けるなら注意が必要。

 

また、ねじれる鉄骨梁も気をつけたいですね。例えば、外壁をALCやアスロックにしていて、EVシャフトがあるため、変型を拘束できないケース。

普通のH鋼を閉鎖型断面にして、ねじれ耐力を上げるか、中幅あるいは広幅にして耐力を上げる方法が考えられます。

まとめ

  • 実現象で問題になる時は、大抵冗長性がない建物。
  • 応力じゃない、変形を見ろ!
  • 片持ち柱、片持ち梁、ねじれを受ける梁は注意したい

RC造は、部材全て一体化するので安心です。一方、鉄骨造は計算と実現象がマッチするので、案外危ない。ということを頭の片隅に入れておきましょう。下記も注意したいですね。

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