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鉄骨造の仕口部の段差の許容寸法と、段差の解消方法

構造設計

ども、Tです。

鉄骨造の納まりで注意することは、大梁の「梁段差」です。梁段差が小さすぎると、内ダイアフラムが納まらないためです。

では、梁段差は何ミリまで許容できるのか。どうすれば段差を解消できるのか、考えていきます。なお、構造部材の納まりに関しては下記が分かりやすいです。

鉄骨造関連で、下記の記事も参考になります。

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なぜ梁段差は納まらないのか?

実は、梁段差にも納まる段差と納まらない段差があります。納まる段差とは、段差寸法が僅かの場合。または、段差が大きい場合です。

つまり納まらない梁段差は、両者の中間的なとても絶妙な寸法の梁段差なんです。

微妙な梁段差があると納まらない理由は、内ダイアフラムが溶接できるほど溶接棒が入らないためです。

鉄骨造の仕口部の段差の許容寸法

下記の寸法は最低必要です。

  • 梁段差は、最低100ミリは必要
  • 現場に優しいのは、150ミリ以上の梁段差

それぞれ解説しますね。※下記も参考になります。

梁段差は、最低100ミリは必要

梁段差の許容寸法は、最低「100ミリ」です。例えばX方向の大梁せいが500だとすれば、Y方向は600あるいは400にすれば納まります。

現場に優しいのは、150ミリ以上の梁段差

但し、100ミリでも少し小さないかなと思います。現場に優しいのは150ミリ以上の段差です。

梁せいに制約があって、且つ梁せいを大きくしたいときなど、止む負えず100ミリにする以外は、150ミリ以上の梁段差が良いでしょう。

鉄骨造の仕口部の段差の解消方法

段差の解消方法を下記に示します。※あくまで一例です。状況に応じて納まりは変わります。

  • ハンチをつけて大きい梁せいのダイアフラム位置に合わせる
  • 梁段差を残したまま施工可能なノンダイアフラム工法

詳細を説明しますね。

ハンチをつけて大きい梁せいのダイアフラム位置に合わせる

梁段差ができた場合、梁にハンチを設ける方法もあります。応力が厳しく梁せいを小さくできない、天井高の関係で梁せいを大きくできない場合はハンチを設けます。

例えば、X方向の梁せいが700、Y方向の梁せいが600とします。この関係でハンチを付ける場合、Y方向の梁端部は、X方向のダイアフラム位置に合わせて700ミリの梁せいとなるようハンチを付けます。

梁段差を残したまま施工可能なノンダイアフラム工法

ところでダイアフラムを使わない工法もあります。ノンダイアフラム工法と言いますが、これは仕口部を、厚板で構成されたボックスに置き換え、そのボックスに梁を剛接合する工法です。

先に述べた、微妙な梁段差があっても問題なし。そもそもダイアフラム自体が無いからです。

まとめ

今回は、鉄骨造の仕口部の段差の許容寸法と、段差の解消方法についてお話ししました。鉄骨造は納まりが重要です。僕も「納まるように図面を描け」とよく言われました…。

書籍にも納まりが詳しく掲載されています。ディテール集は1冊持っておくと参考になりますよ。

納まりのしくみを徹底解剖 構造ディテール図集

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