ども、Tです。
今回は構造目線で考えよう、の第二弾。
って、「んなもん知るか」という声が聞こえてきそうですが・・・、昔こんな記事を書きました。
生活にまつわる身近なことを構造目線で考えよう、という趣旨でやっております。
で、今回はタイトルの通り、ソファやベンチに座るとき一番安定する場所はどこか考えます。一般の方向けの記事です。
力学の基礎を復習
ここでは、力学の基礎を復習しましょう。
外力と反力
外力とは物体に対して、外から加えられる力のこと。例えば、椅子があって普通に座ります。外力とは、座ったときのあなたの重量そのもの。
一方反力とは、外力に対する反発力のこと。前述した例でいえば、床から椅子の足に対して反力が発生しています。
重要なポイントは、外力と反力が必ず釣り合う、ということです。また、反発力が発生する点を支点と言います。前述した例の場合、支点は反発力を受ける椅子の足です。
内力
内力とは、工学的な専門用語で「応力」と言います。椅子に座ったとき、椅子は外力を受け、床からの反発力を受けて静止していますが、両者の力釣り合うために、椅子の各部材内部にも力が作用しています。
この力を内力、あるいは応力と言います。もっと専門的に説明することもできますが、ざっくり、このような説明にとどめておきましょう。
変形
とはいえ、上述した力のやり取りは目に見えませんから、意識することは無いです。一般の方にとっては、変形がもっとも重要な指標と言えます。
ここで重要なポイントを2つ紹介します。
- 外力は、部材の真ん中に作用したとき、最も変形量が大きくなる。
- 外力が支点に直接作用するとき、応力や変形は発生しない。
ソファやベンチに座るとき、一番安定する位置はどこか。
というわけで、以上の知識を元に考えましょう。例えば下図のベンチがあります。誰もいないなら真ん中に座るのがセオリーと思います。
でも、それが一番安定しない座り位置なんです。なぜなら、「外力は、部材の真ん中に作用したとき、最も変形量が大きくなる」から。
真ん中に座ると、ベンチの板が良く変形します。あるいは変形量が大きくなるのです。では、どこに座ると安定するのか。もう答えは自明ですが、
ベンチの端
です。
これも「外力が支点に直接作用するとき、応力や変形は発生しない。」という法則に基づいています。下図のソファでも同じ。支点となる端が一番変形しないので安定します。
まとめ
というわけで、構造目線で考えようの第二弾は以上。
実生活で活用できるネタとは思いませんが、例えばボロボロのベンチやソファがあるとき活躍する知識かも。
では。