構造設計に関すること

弱軸方向に荷重を受ける部材の許容曲げ応力度について

ども、tyazukeです。

弱軸回りに荷重を受ける部材ってありますよね。代表的な部材が耐風梁。風圧力を受けるために配置する部材ですが、外壁の鉛直荷重を受けることも。

耐風梁は一般的にH型鋼あるいは角型鋼管を使います。後者は、断面性能に方向性は無いですが、前者は方向性がある。下記の本が参考になります。

鋼構造設計規準―許容応力度設計法

 

というわけで、気を付けないと弱軸方向の変形や応力度がとんでもなく大きくなるわけです。今回は、そんな弱軸回りに荷重を受ける部材の許容曲げ応力度について

スポンサーリンク

 

基本的に、弱軸方向に荷重を受ける場合、横座屈による低減は無い

弱軸方向に受ける荷重を受ける部材は、横座屈による低減はしません。例えば耐風梁にH型鋼を使っていて、H型鋼を横使いしています。

このH型鋼に弱軸方向の荷重(例えば外壁などの仕上げ荷重)が作用したとき、荷重方向に対して横方向の座屈は、起きようがないからです。専門的に言えば断面二次半径が大きいから、といえます。

 

但し、横使いに用いるH型鋼は多くの場合、風圧力を受けることが目的です。風圧力に対しては強軸方向に向いているので、やはり下記のような許容曲げ応力度の低減式に当てはめて計算します。

  • fb=89000/(Lb×H/Af)

 

Lbは座屈長さです。スパンが8.0mある柱間に耐風梁を設けるなら、Lb=8.0です。中央に座屈を拘束する部材(例えば、弱軸方向に取り付ける吊材など)があるなら、Lb=8.0/2=4.0m。

H型鋼は加力方向で、許容曲げ応力度が異なることに注意が必要です。

 

非対称部材も、基本的に横座屈による低減が必要となる

Cチャンネルや溝型鋼のように、非対称形部材も同様に低減が必要です。但し、これらの部材は比較的軽微な箇所に使われることも多く、溝形鋼に留める部材の拘束力が相対的に大きいので、低減不要という判断も可能です(※1)。

ただ、溝形鋼やCチャンネルに、横座屈を拘束する部材が何もなく荷重がかかる場合、やはり低減が必要。

部材が小さいだけに注意したい部分です。

 

まとめ

今回は、弱軸方向に荷重を受ける場合の許容曲げ応力度について説明しました。弱軸に荷重を受けること自体怖いので、注意したいものです。

それでは。

 

参考文献

スポンサーリンク
 

こちらも人気の記事です

ピックアップ記事

  1. 公務員になりたいなら、土木学科入学をおすすめする3つの理由
  2. 建築家の事務所へインターンに行き、何を学び何をしたのか書く。
  3. 地震の被害は天災じゃなくて人災だ、と言う話
  4. 大手設計事務所と中堅設計事務所の建築は何が違うのか?
  5. 建築屋さんが覚えるべき最低限の構造計画3つ

関連記事

  1. 構造設計に関すること

    構造の歴史を振り返ろう。日本と米国のせん断力係数の違いについて

    まあ仰々しいタイトルをつけましたが、あまり深堀していないので、気軽に読…

  2. 構造設計に関すること

    面倒な計算はExcelで!作ると便利な計算プログラム5つ。

    構造計算では必ず行う計算があります。と、いうよりルーティンワークのほう…

  3. 構造設計に関すること

    Autocadで変断面の重心位置を求める方法

    ども、tyazukeです。ある日、意匠設計部の上司から頼まれま…

  4. 労働のこと

    50㎡の建物が確認申請を出すまで1年かかって病んだ件。

    仕事は早く終わるほど精神衛生上良いものです。僕が入所しているブラック事…

  5. 一級建築の試験勉強

    構造一級建築士制度で構造屋が減っていく件

    ども、tyazukeです。構造一級建築士って必要か?、と常々疑…

  6. 構造設計に関すること

    【RC造の設計】鉄筋の剛性を考慮すると計算の収束が遅くなる件

    RC造の建物は計算が色々と面倒です。僕が最近担当している物件でよく起き…

スポンサーリンク

最近の記事

Tazukeのおすすめ書籍

  1. 構造設計に関すること

    Autocadで変断面の断面係数を求める方法
  2. 労働のこと

    仕事一筋の人がヤバい理由と、構造設計者の7割が削減された将来
  3. 一級建築の試験勉強

    総合資格学院の講師は、どうすればなれる?
  4. 建築のこと

    本当は教えたくない、構造力学の勉強で役立った良書3選
  5. 設計事務所に関すること

    業界人が教える組織設計事務所の年収ランキング。
PAGE TOP